電験三種 R3年 理論 問3 問題と解説

 問 題     

次の文章は、強磁性体の応用に関する記述である。

磁界中に強磁性体を置くと、周囲の磁束は、磁束が( ア )強磁性体の( イ )を通るようになる。このとき、強磁性体を中空にしておくと、中空の部分には外部の磁界の影響がほとんど及ばない。このように、強磁性体でまわりを囲んで、磁界の影響が及ばないようにすることを( ウ )という。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  •   ア    イ     ウ
  1. 通りにくい  内部  磁気遮へい
  2. 通りにくい  外部  磁気遮へい
  3. 通りにくい  外部  静電遮へい
  4. 通りやすい  内部  磁気遮へい
  5. 通りやすい  内部  静電遮へい

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

強磁性体とは、比透磁率(真空の透磁率に対する透磁率の比)μrが1よりも非常に大きい物質のことを指す言葉です。ちなみに、比透磁率μrが1よりも大きい(非常にではない)場合は常磁性体、1よりも小さい場合は反磁性体といいます。

よって、強磁性体は磁束を通しやすい性質を持ち、磁束は強磁性体の中を通っていきます。つまり、( ア )は「通りやすい」、( イ )は「内部」となります。

また、強磁性体を中空にしておけば、周囲の磁束は全て強磁性体に引っ張られてその内部を通っていくため、中空には磁気がない状態となります。このように、強磁性体でまわりを囲んで、磁界の影響を遮へいすることを「磁気遮へい」というので、これが( ウ )です。

以上から、

  • ア:通りやすい
  • イ:内部
  • ウ:磁気遮へい

となるので、正解は(4)です。

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