電験三種 R3年 法規 問5 問題と解説

 問 題     

次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」における発電機の保護装置に関する記述である。

発電機には、次に掲げる場合に、発電機を自動的に電路から遮断する装置を施設すること。

a) 発電機に( ア )を生じた場合

b) 容量が500kV・A以上の発電機を駆動する( イ )の圧油装置の油圧又は電動式ガイドベーン制御装置、電動式ニードル制御装置若しくは電動式デフレクタ制御装置の電源電圧が著しく( ウ )した場合

c) 容量が100kV・A以上の発電機を駆動する( エ )の圧油装置の油圧、圧縮空気装置の空気圧又は電動式ブレード制御装置の電源電圧が著しく( ウ )した場合

d) 容量が2000kV・A以上の( イ )発電機のスラスト軸受の温度が著しく上昇した場合

e) 容量が10000kV・A以上の発電機の( オ )に故障を生じた場合

f) 定格出力が10000kWを超える蒸気タービンにあっては、そのスラスト軸受が著しく摩耗し、又はその温度が著しく上昇した場合

上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  •  ア     イ   ウ   エ   オ
  1. 過電圧  水車  上昇  風車  外部
  2. 過電圧  風車  上昇  水車  内部
  3. 過電流  水車  低下  風車  内部
  4. 過電流  風車  低下  水車  外部
  5. 過電流  水車  低下  風車  外部

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

本問は、「電気設備技術基準の解釈」第42条(発電機の保護装置)からの出題です。出題頻度はあまり高くないので、条文を覚えるよりは問題文や選択肢を見ながら正しいか誤りかを判断していくのが妥当だと思います。

( ア )に関して、発電機の外部で短絡故障などが起こった場合、事故電流が発電機に流れ込んで焼損するおそれがあります。よって、発電機に過電流が生じた際には、即座に自動的に電路から遮断する装置が必要です。よって、( ア )には「過電流」が入ります。

( イ )には「水車」か「風車」が入りますが、b)の文中に出てくるニードルとデフレクタは、ペルトン水車の主要な構成要素です。よって、( イ )は「水車」が適切であると判断できます。ちなみに、ガイドベーンは水車でも風車でもよく使われるのでこれでは見極められません。

( ウ )はb)とc)の2つの文章に登場し、文中には多くの制御装置(圧油装置、○○制御装置、圧縮空気装置など)が並んでいます。どれも発電機を駆動する上で重要な制御装置であり、いずれかの機能が著しく低下した場合には全体の制御が乱れてしまいます。

よって、制御装置の機能(=装置の油圧や電源電圧)が著しく低下した場合には、発電機を保護するために電路から遮断する必要があります。そのため、( ウ )は「低下」を入れるのが適切です。

( エ )については、( イ )が「水車」だとわかれば自動的に「風車」だと決まります。また、c)の文章に「ブレード」(羽根)と書かれているので、ここから( エ )が「風車」だと判断することもできます。

( オ )には「内部」か「外部」が入ります。もし「外部」が正しいとすれば、発電機の外部というのはどこまでを指すのか不明なので、この規定を適用する範囲が曖昧になってしまいます。つまり、「外部」とするのは不適切だと考えられれば、( オ )には「内部」が入るとわかります。

以上から、

  • ア:過電流
  • イ:水車
  • ウ:低下
  • エ:風車
  • オ:内部

となるので、正解は(3)です。

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