電験三種 R3年 法規 問4 問題と解説

 問 題     

「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧及び特別高圧の電路に施設する避雷器に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

ただし、いずれの場合も掲げる箇所に直接接続する電線は短くないものとする。

  1. 発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所では、架空電線の引込口(需要場所の引込口を除く。)又はこれに近接する箇所には避雷器を施設しなければならない。
  2. 発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所では、架空電線の引出口又はこれに近接する箇所には避雷器を施設することを要しない。
  3. 高圧架空電線路から電気の供給を受ける受電電力が50kWの需要場所の引込口又はこれに近接する箇所には避雷器を施設することを要しない。
  4. 高圧架空電線路から電気の供給を受ける受電電力が500kWの需要場所の引込口又はこれに近接する箇所には避雷器を施設しなければならない。
  5. 使用電圧が60000V以下の特別高圧架空電線路から電気の供給を受ける需要場所の引込口又はこれに近接する箇所には避雷器を施設しなければならない。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

本問は、「電気設備技術基準の解釈」第37条(避雷器等の施設)からの出題です。

避雷器を施設しなければならない条件は、以下の4つの条件のいずれかに該当する場合です。

  1. 発電所、変電所の架空電線の引込口及び引出口
  2. 架空電線路に接続する配電用変圧器の高圧側及び特別高圧側
  3. 高圧架空電線路から電気の供給を受ける受電電力が500kW以上の需要場所の引込口
  4. 特別高圧架空電線路から電気の供給を受ける需要場所の引込口

(1)と(2)については上記1.が該当します。発電所や変電所では、送配電線に接続する重要機器を雷電圧から保護するため、必要な箇所に避雷器を設置して雷電圧を低減し、機器の絶縁破壊などの被害を防止する必要があります。

これは架空電線の引込口でも引出口でも同じことがいえるので、(1)の記述は正しく、(2)の記述の「避雷器を施設することを要しない」という部分が誤りだと判断することができます。

(3)と(4)については上記2.が該当します。高圧架空電線路から電気の供給を受ける受電電力が500kW以上の需要場所の引込口またはこれに近接する箇所には、避雷器を施設しなければいけません。

つまり、(3)の50kWなら避雷器を設置しなくてもよく、(4)の500kWでは避雷器を設置しなくてはいけません。よって、(3)と(4)はともに正しい記述となっています。

(5)については上記4.が該当します。使用電圧の大きさに関わらず、特別高圧架空電線路から電気の供給を受ける需要場所の引込口には、原則として避雷器を施設しなければなりません(例外規定あり)。

よって、(5)は正しい記述です。

以上から、正解は(2)となります。

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