電験三種 R2年 理論 問4 問題と解説

 問 題     

磁力線は、磁極の働きを理解するのに考えた仮想的な線である。この磁力線に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 磁力線は、磁石のN極から出てS極に入る。
  2. 磁極周囲の物質の透磁率をμ[H/m]とすると、m[Wb]の磁極からm/μ本の磁力線が出入りする。
  3. 磁力線の接線の向きは、その点の磁界の向きを表す。
  4. 磁力線の密度は、その点の磁束密度を表す。
  5. 磁力線同士は、互いに反発し合い、交わらない。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

磁力が働く空間のことを磁界といいますが、これは目に見えなくてわかりづらいので、以下の図のように可視化することがあります。

上図の矢印の通り、磁力はN極からS極へと向かう磁力線として描くことができます。磁力線は無数に出ていて数えきれないので、1[Wb]分の磁力線のまとまりを「磁束」と呼んでいます。

磁界の強さを可視化したのが上図ですが、磁束の密度の濃いところは磁界が強く、密度が薄いところは磁界が弱いことになります。

よって、選択肢(4)の「磁力線の密度は、その点の磁束密度を表す。」が誤りで、磁力線の密度は「磁束密度」ではなく「磁界の強さ」を表しています。

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