電験三種 R2年 法規 問12 問題と解説

 問 題     

次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく変圧器の電路の絶縁耐力試験に関する記述である。

変圧器(放電灯用変圧器、エックス線管用変圧器等の変圧器、及び特殊用途のものを除く。)の電路は、次のいずれかに適合する絶縁性能を有すること。

① 表の中欄に規定する試験電圧を、同表の右欄で規定する試験方法で加えたとき、これに耐える性能を有すること。

② 日本電気技術規格委員会規格JESC E7001(2018)「電路の絶縁耐力の確認方法」の「3.2 変圧器の電路の絶縁耐力の確認方法」により絶縁耐力を確認したものであること。

上記の記述に関して、次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a) 表中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  •   ア   イ   ウ   エ
  1. 6900  1.1    500  1.25
  2. 6950  1.25  600  1.5
  3. 7000  1.5    600  1.25
  4. 7000  1.5    500  1.25
  5. 7200  1.75  500  1.75

(b) 公称電圧22000Vの電線路に接続して使用される受電用変圧器の絶縁耐力試験を、表の記載に基づき実施する場合の試験電圧の値[V]として、最も近いものを次の(1)~(5)から一つ選べ。

  1. 28750
  2. 30250
  3. 34500
  4. 36300
  5. 38500

 

 

 

 

 

正解 (a)-(4), (b)-(1)

 解 説    

(a)

今回問われてるのは「変圧器の電路の絶縁耐力試験」ですが、この試験でよく出題されるのは「高圧または特別高圧の電路の絶縁耐力試験」です。この問題と同じ年にも問3で出題されているほか、過去の設問にもたびたび登場しています。

そこで、この問題は変圧器の話ですが、まずは高圧及び特別高圧の電路での耐圧試験に関する試験電圧の値を下表に示します。下表の条件や数値は、重要事項としてぜひ押さえておきたい内容です。

ちなみに、最大使用電圧は次のように定められます。

  • 公称電圧が1000V以下:公称電圧に1.15を掛けた値が最大使用電圧
  • 公称電圧が1000V超 :公称電圧に1.15を掛けて1.1を割った値が最大使用電圧

また、試験方法は、上表の試験電圧を連続して10分間加えます。これで問題がなければ、その電路の絶縁性能が十分であると認められます。

以上は高圧・特別高圧の電路の話ですが、変圧器の電路でもほぼ同じ内容となっています。

よって、( ア )は「7000」、( イ )は「1.5」、( ウ )がわからなくて、( エ )は「1.25」となります。

これで選択肢(3)と(4)の2択まで絞られました。この先はややマイナーな知識なので、2択で運任せでも個人的には仕方ないと思います。ちなみに、設問(a)で誤った選択肢を選んでも設問(b)には影響せず、問題なく解くことができます。

一応きちんと解説しておくと、変圧器の場合に上表と異なる点は、最大使用電圧が7,000V以下の場合における試験電圧が以下のようになる点です。

  • 高圧・特別高圧:最大使用電圧の1.5倍の電圧
  • 変圧器    :最大使用電圧の1.5倍の電圧(500V未満となる場合は500V)

よって、( ウ )には「500」が入ります。

以上から、正解は(4)です。

(b)

設問(a)の解説の通り、公称電圧22000Vの場合、試験電圧は最大使用電圧の1.25倍となり、最大使用電圧は公称電圧に1.15を掛けて1.1を割った値となります。

よって、まずは最大使用電圧を求めると、次のように計算できます。

続いて、試験電圧は次の通りです。

以上から、正解は(1)となります。

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