電験三種 R2年 法規 問6 問題と解説

 問 題     

次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく低圧屋内配線の施設場所による工事の種類に関する記述である。

低圧屋内配線は、次の表に規定する工事のいずれかにより施設すること。ただし、ショウウィンドー又はショウケース内、粉じんの多い場所、可燃性ガス等の存在する場所、危険物等の存在する場所及び火薬庫内に低圧屋内配線を施設する場合を除く。

上記の表の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  •   ア      イ      ウ
  1. 金属線ぴ   金属ダクト  バスダクト
  2. 金属線ぴ   バスダクト  金属ダクト
  3. 金属ダクト  金属線ぴ   バスダクト
  4. 金属ダクト  バスダクト  金属線ぴ
  5. バスダクト  金属線ぴ   金属ダクト

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

低圧屋内配線の工事には様々な種類がありますが、どの工事で施設できるかは施設場所の区分と使用電圧の区分によって下表のように決められています。この表は「電気設備技術基準の解釈」第156条の156-1表と同じものです。

上表と問題文を比べることで、(ア)は「金属線ぴ」、(イ)は「金属ダクト」、(ウ)は「バスダクト」だとわかるので、正解は(1)となります。

記憶力に余裕があれば上表を覚えておくと便利ですが、この表を正確に覚えるのは難しいかもしれないので、そのような場合は次のように考えて正解を導きたいところです。

選択肢の内容はどれも「金属線ぴ」、「金属ダクト」、「バスダクト」の3つで共通しています。そこで、これらの違いに注目して考えていきます。

まず、これらはいずれも金属製の電線ダクトの一種で、金属製の筒に電線やケーブルを収めるために用いられます。この中で、幅5cm以下のものを「金属線ぴ」、幅5cm超のものを「金属ダクト」と呼んで区別しています。

また、「バスダクト」は多数の電線やケーブルを収める必要のある幹線に用いられるものです。金属ダクトとの大きな違いは、バスダクトの場合は金属製のダクト内に収める各導体が絶縁導体(導体を絶縁物で被覆または支持したもの)であるという点です。

つまり、「金属線ぴ」、「金属ダクト」、「バスダクト」の3つのグレートを比較すると、最も簡素なのが「金属線ぴ」で、最もしっかりしたものが「バスダクト」となります。

ここで、問題文で与えられた表を確認すると、(ア)は○が2つ、(イ)は(ア)と同じ場所に加えてもう2つ、(ウ)は(イ)の場所に加えてさらに1つの○があることがわかります。

よって、(ア)は「金属線ぴ」、(イ)は「金属ダクト」、(ウ)は「バスダクト」が入るはずだと判断することができます。

以上から、正解は(1)です。

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