電験三種 R2年 法規 問5 問題と解説

 問 題     

「電気設備技術基準の解釈」に基づく地中電線路の施設に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 地中電線路を管路式により施設する際、電線を収める管は、これに加わる車両その他の重量物の圧力に耐えるものとした。
  2. 高圧地中電線路を公道の下に管路式により施設する際、地中電線路の物件の名称、管理者名及び許容電流を2mの間隔で表示した。
  3. 地中電線路を暗きょ式により施設する際、暗きょは、車両その他の重量物の圧力に耐えるものとした。
  4. 地中電線路を暗きょ式により施設する際、地中電線に耐燃措置を施した。
  5. 地中電線路を直接埋設式により施設する際、車両の圧力を受けるおそれがある場所であるため、地中電線の埋設深さを1.5mとし、堅ろうなトラフに収めた。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

(1)と(3)と(5)について、これらはいずれも正しい文章です。

地中電線路の上は道路となっている場所も多いので、車両などの圧力に耐えられるように施設しなくてはなりません。(1)の管路式なら管、(3)の暗きょ式なら暗きょについて、それぞれ重量物の圧力に耐えるものを使用します。

(5)の直接埋設式の場合はそのようなことができないので、地中電線の埋設深さを以下のように十分な深さとすることで、重量物の圧力に耐えられるようにします。

  • 車両などの圧力を受けるおそれがある場所:深さ1.2m以上
  • その他の場所             :深さ0.6m以上

(5)の場合は埋設深さを1.5mとしているので、問題ありません。

また、(5)の最後に書かれている「堅ろうなトラフに収めた」というのも必要な条件です。直接埋設式で施設する際には、地中電線を衝撃から防護するため、堅ろうな板で地中電線を覆うなどの措置をする必要があります。

(2)に関して、これが誤りの文章です。

高圧または特別高圧の管路式地中電線路には、物件の名称、管理者名、電圧の表示をおおむね2mの間隔で施すことが求められます。必要なのは「許容電流」ではなく「電圧」です。

(4)に関して、これは正しい文章です。

暗きょ式で施設する際には防火措置を施すことが規定されています。具体的には、以下の2つのいずれかの方法をとります。

  1. 地中電線に耐燃措置を施す
  2. 暗きょ内に自動消火設備を施設する

(4)では耐燃措置のことが書かれているので、これは適切な措置です。

以上から、正解は(2)となります。

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