電験三種 R1年 理論 問8 問題と解説

 問 題     

図の回路において、正弦波交流電源と直流電源を流れる電流Iの実効値[A]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

ただし、Eaは交流電圧の実効値[V]、Edは直流電圧の大きさ[V]、Xcは正弦波交流電源に対するコンデンサの容量性リアクタンスの値[Ω]、Rは抵抗値[Ω]とする。

  1. 10.0
  2. 14.1
  3. 17.3
  4. 20.0
  5. 40.0

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

この問題のように電源が2つ以上ある回路の計算問題では、重ね合わせの原理を使うと便利です。

重ね合わせの原理とは、電源が複数ある電気回路において、それぞれの電源が1つしかないものと仮定して計算した場合に、それらの和がもとの電気回路の値と一致する、というものです。

ただし、今回は直流電流と交流電流を合わせた実効値を求めるので、この場合には単純な和ではなく、合成の計算をします。つまり、各々の2乗を足して√(平方根)に入れるという計算になります。

以上を踏まえて、まずは直流電源のほうから考えます。この場合、交流電源はないもの(短絡状態)と見なしてください。また、問6で解説したように、直流回路の定常状態ではコンデンサは開放状態と考えることができます。

よって、直流電源だけを考える回路は、以下の図のようになるので、直流電流Idは次のように計算できます。

続いて、交流電源のほうについて考えます。この場合、RとXcの並列回路になるので、その合成インピーダンスZは次のように計算できます。

よって、交流電流Iaは次のようになります。

最後に、直流電流Idと交流電流Iaを合成することで、問われている電流Iの実効値を求めることができます。

以上から、正解は(3)となります。

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