問 題
次の文章は、「電気設備技術基準」に基づく支持物の倒壊の防止に関する記述の一部である。
架空電線路又は架空電車線路の支持物の材料及び構造(支線を施設する場合は、当該支線に係るものを含む。)は、その支持物が支持する電線等による( ア )、風速( イ )m/sの風圧荷重及び当該設置場所において通常想定される( ウ )の変化、振動、衝撃その他の外部環境の影響を考慮し、倒壊のおそれがないよう、安全なものでなければならない。
ただし、人家が多く連なっている場所に施設する架空電線路にあっては、その施設場所を考慮して施設する場合は、風速( イ )m/sの風圧荷重の( エ )の風圧荷重を考慮して施設することができる。
上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- (ア) (イ) (ウ) (エ)
- 引張荷重 60 温度 3分の2
- 重量荷重 60 気象 3分の2
- 引張荷重 40 気象 2分の1
- 重量荷重 60 温度 2分の1
- 重量荷重 40 気象 2分の1
解 説
( ア )には「重量荷重」か「引張荷重」が入ります。
重量荷重という言葉は電気設備技術基準などに一切登場しませんが、意味合いとしては、物そのものが乗っかったときに掛かる重力のことです。
たとえば、「地中電線路は、車両その他の重量物による圧力に耐えるように施設しなければならない」という説明文においては、車両そのものの重力が地中電線路に掛かるので、このようなケースが重量荷重だと考えてください。
今回の場合、支持物(電柱など)の真上に電線が置いてあるわけではなく、支持物と支持物の間に電線が架かっています。この電線の重量は両端にある支持物が電線を引っ張ることで支えていて、この張力のことを引張荷重といいます。よって、( ア )には「引張荷重」を入れるのが適切だと判断できます。
( イ )は知識問題ですが、支持物は10分間平均で風速40m/sの風圧荷重に耐えられるように設計しなくてはなりません。これは重要事項として覚えておきたいところです。よって、( イ )には「40」が入ります。
( ウ )には「温度」か「気象」が入ります。支持物はある程度の温度変化に耐えることが求められますが、それ以外にも湿度や天気の変動にも耐えなければ支持物としての役割を果たすことができません。
よって、温度や湿度、天気、気圧など諸々の気象条件という意味で、( ウ )には「気象」を入れるのが適切であると判断できます。
( エ )に関して、平地だと風は勢いよく吹くことができても、人家が多く連なっている場所だと建物が緩衝材となって、風の勢いが減衰します。よって、そのような場所に立てる支持物が耐えるべき風圧荷重は、規定(風速40m/sの風圧荷重)の半分でよいことになっています。
よって、( エ )には「2分の1」が入ります。
以上から、
- 引張荷重
- 40
- 気象
- 2分の1
となるので、正解は(3)です。
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