変圧器の損失
変圧器はその効率が100%になることはなく、実際には損失が生じてしまいますが、その損失には大きく分けて無負荷損と負荷損の2種類があります。
無負荷損とは、負荷を掛けていても掛けていなくても生じてしまう一定量の損失のことで、主に鉄損がこれに当たります。無負荷損には様々な種類がありますが、電験三種を受ける上では、「無負荷損=鉄損」と考えて差し支えありません。
負荷損とは、負荷を掛けているときにだけ発生する損失のことで、主に銅損がこれに当たります。負荷損も無負荷損と同様にいくつかの種類がありますが、この試験においては「負荷損=銅損」という認識で大丈夫です。
また、負荷損(銅損)の大きさは負荷を流れる電流の2乗に比例します。計算問題などの際にこの知識が必要となることも多いので、ぜひ押さえておいてください。
変圧器の効率
変圧器の入力に対する出力を百分率で表したものが、変圧器の効率です。つまり、入力をPin、出力をPoutとすると、効率ηは次の式で表すことができます。
ちなみに、出力は入力から損失Plossを差し引いたものなので、次のようになります。
最後に、変圧器を流れる電流の大きさによって負荷損の大きさが変わるため、当然、効率も増減していきます。このとき、電流が小さ過ぎると出力が小さくなり効率が悪くなってしまう一方で、電流が大き過ぎても損失が大きくなって効率が下がります。
そのバランスを考えた、最も効率の良い電流の大きさというのがありますが、それは、「鉄損=銅損」となる電流値です。
このことは式を使って証明することもできますが、結論だけを覚えておけば充分だと思うので、ここでは割愛します。鉄損と銅損が同じ値をとるとき、変圧器の効率が最大となることを覚えておいてください。
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