インバータ

直流を交流に変換することを逆変換といい、この装置をインバータ(逆変換装置)といいます。前項までに解説してきた整流装置は交流を直流に変換するものだったので、ちょうど逆の関係です。インバータに使われるパワー半導体デバイスは、サイリスタまたはパワートランジスタです。

インバータはさらに他励式インバータと自励式インバータに分類されます。

他励式インバータ

上記の通り、整流装置とインバータとは反対の関係なので、単相全波整流回路をうまく反対向きに利用できればそれはインバータとして機能することになります。この理屈によってできるのが以下のような回路で、これを他励式インバータと呼んでいます。

単相全波整流回路との違いは、単相全波整流回路では抵抗負荷だった箇所が直流電源になっていることです。これにより、直流電源が入力となり、交流電源が出力となります。

他励式インバータの「他励式」というのは、出力である交流の周波数が交流電源の周波数に依存するという意味です。自励式インバータであれば、出力である交流の周波数を自由に切り替えることができます。

自励式インバータ

自励式インバータは4つのスイッチを使った回路で、その一例を以下に挙げます。

この回路において、対角線でペアを組んだ2組のスイッチ(S1とS4、S2とS3)を交互にオン・オフを繰り返すと、負荷電流ioと直流電流idは次のような波形を描きます。そうすることで、入力である直流電圧から出力となる交流電圧へと変換されます。

また、この例のように直流電源が電圧源となっている自励式インバータを電圧形インバータといい、電源が電流源である場合には電流形インバータと呼んでいます。

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