はずみ車

はずみ車は、フライホイールともいうように、車輪のような形をした機械部品です。これを回転させると運動エネルギーを蓄えることができ、反対に減速させることで運動エネルギーを放出することができます。つまり、蓄電池が電気エネルギーを蓄えるものであるように、はずみ車は運動エネルギーを蓄えるものだといえます。

電動機にはずみ車を取り付けておけば、軽負荷時には余った運動エネルギーをはずみ車を回転させることで蓄えておき、重負荷時にははずみ車に蓄えておいた運動エネルギーを取り出すことで、電動機の回転不足を補うことができます。このように、電動機の回転速度を一定にして安定化させる働きが、はずみ車にはあります。

はずみ車に蓄えられるエネルギーは以下の式で表されます。これは重要な式ですので、ぜひ覚えておくことをお勧めします。

  • E:はずみ車に蓄えられる運動エネルギー[J]
  • I:はずみ車の慣性モーメント[kg・m2]
  • ω:電動機の角速度[rad/s]

慣性モーメントというのは、回転体がその回転速度を維持し続けようとする性質(=慣性)の大きさを表すパラメータですが、計算問題においては慣性モーメントがすでに与えられていて、これを使って運動エネルギーを計算するような出題が多いです。

また、上式の角速度ω[rad/s]は、

  • n:電動機の回転速度[s-1]

で表すことができますが、往々にして回転速度は秒速ではなく分速として与えられることが多いので、

  • N:電動機の回転速度[min-1]

となります。

よって、最初の式(はずみ車に蓄えられる運動エネルギーの式)は、次のように書き換えることが可能です。

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