電験三種 H30年 電力 問17 問題と解説

 問 題     

図のように、抵抗を無視できる一回線短距離送電線路のリアクタンスと送電電力について、次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし、一相分のリアクタンスX=11Ω、受電端電圧Vrは66kVで常に一定とする。

(a) 基準容量を100MV・A、基準電圧を受電端電圧Vrとしたときの送電線路のリアクタンスをパーセント法で示した値[%]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 0.4
  2. 2.5
  3. 25
  4. 40
  5. 400

(b) 送電電圧Vsを66kV、相差角(送電端電圧と受電端電圧の位相差)δを30°としたとき、送電電力Psの値[MW]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 22
  2. 40
  3. 198
  4. 343
  5. 3960

 

 

 

 

 

正解 (a)-(3), (b)-(3)

 解 説    

(a)

%インピーダンスの式は以下の通りですが、これは最重要公式として押さえておく必要があります。

  • %Z:パーセントインピーダンス
  • I:電流[A]
  • Z:インピーダンス[Ω] (この問題ではZ=X)
  • V:線間電圧(=受電端電圧)[V]

なお、本来は抵抗分とリアクタンス分の合力がインピーダンスとなりますが、今回は抵抗を無視できるため、リアクタンス=インピーダンスとして扱うことができます。よって、問われているのは%リアクタンスですが、上式の%インピーダンスの計算結果がそのまま答えになります。

ここで、上式のVとZ(=X)は問題文ですでに与えられていますが、Iが未知数のため、電力Pの式を使って以下のように導出します。

よって、これを%インピーダンスの式に代入して計算を進めると、

となるので、正解は(3)となります。

(b)

三相3線式送電線の送電電力(有効電力)P[W]は以下のようになります。

  • P:三相3線式送電線の送電電力(有効電力) [W]
  • Vs:送電端の線間電圧 [V] (supplyの”s”)
  • Vr:受電端の線間電圧 [V] (receiveの”r”)
  • X:線路リアクタンス [Ω]
  • δ:Vs-Vr間の相差角

上式を使う問題がたびたび出題されるので、これもぜひ公式として押さえておいてください。今回はこれを覚えておくだけで解けるので、B問題の(b)としては易しい出題です。

上式に問題文で与えられた数値を代入していくと、以下のように計算を進めることができます。

よって、正解は(3)です。

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