電験三種 H29年 法規 問10 問題と解説

 問 題     

次のa、b、c及びdの文章は、再生可能エネルギー発電所等を計画し、建設する際に、公共の安全を確保し、環境の保全を図ることなどについての記述である。

これらの文章の内容について、「電気事業法」に基づき、適切なものと不適切なものの組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 太陽電池発電所を建設する場合、その出力規模によって設置者は工事計画の届出を行い、使用前自主検査を行うとともに、当該自主検査の実施に係る主務大臣が行う審査を受けなければならない。
  2. 風力発電所を建設する場合、その出力規模によって設置者は環境影響評価を行う必要がある。
  3. 小出力発電設備を有さない一般用電気工作物の設置者が、その構内に小出力発電設備となる水力発電設備を設置し、これを一般用電気工作物の電線路と電気的に接続して使用する場合、これらの電気工作物は自家用電気工作物となる。
  4. 66000Vの送電線路と連系するバイオマス発電所を建設する場合、電気主任技術者を選任しなければならない。

    a    b    c     d

  1. 不適切  適切   適切   適切
  2. 適切   不適切  適切   不適切
  3. 適切   適切   不適切  不適切
  4. 適切   適切   不適切  適切
  5. 不適切  不適切  適切   不適切

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

aは特に誤りもなく、正しい記述です。

bも正しい記述で、出力規模が一定以上に大きい場合には環境影響評価が必須となり、一定未満であれば免除されます。

cに関して、一般用電気工作物とは、一般家庭などで使う低圧需要設備や小出力発電設備を指します。cの文章はまさにこれに該当するので、「自家用電気工作物」が誤りで、正しくは「一般用電気工作物」となります。

ちなみに、自家用電気工作物は事業用電気工作物の一種で、構内で電気を消費する点は一般用電気工作物と似ていますが、こちらは小出力発電設備には該当しない大きめの発電設備などが該当します。小出力発電設備は一般用、それより大きいものは事業用と覚えておいてください。

dは正しい記述です。ちなみに、電気主任技術者には第一種(全ての電気工作物)、第二種(17万Vまで)、第三種(5万Vまで)の3つがありますが、今回は6.6万Vなので、第一種か第二種の電気主任技術者を選任する必要があります。

以上から、(4)が正解となります。

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