電験三種 H28年 法規 問9 問題と解説

 問 題     

次の文章は、「電気設備技術基準」における電気さくの施設の禁止に関する記述である。

電気さく(屋外において裸電線を固定して施設したさくであって、その裸電線に充電して使用するものをいう。)は、施設してはならない。ただし、田畑、牧場、その他これに類する場所において野獣の侵入又は家畜の脱出を防止するために施設する場合であって、絶縁性がないことを考慮し、( ア )のおそれがないように施設するときは、この限りでない。

次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」における電気さくの施設に関する記述である。

電気さくは、次のaからfに適合するものを除き施設しないこと。

  1. 田畑、牧場、その他これに類する場所において野獣の侵入又は家畜の脱出を防止するために施設するものであること。
  2. 電気さくを施設した場所には、人が見やすいように適当な間隔で( イ )である旨の表示をすること。
  3. 電気さくは、次のいずれかに適合する電気さく用電源装置から電気の供給を受けるものであること。
    1. 電気用品安全法の適用を受ける電気さく用電源装置
    2. 感電により人に危険を及ぼすおそれのないように出力電流が制限される電気さく用電源装置であって、次のいずれかから電気の供給を受けるもの
      • 電気用品安全法の適用を受ける直流電源装置
      • 蓄電池、太陽電池その他これらに類する直流の電源
  4. 電気さく用電源装置(直流電源装置を介して電気の供給を受けるものにあっては、直流電源装置)が使用電圧( ウ )V以上の電源から電気の供給を受けるものである場合において、人が容易に立ち入る場所に電気さくを施設するときは、当該電気さくに電気を供給する電路には次に適合する漏電遮断器を施設すること。
    1. 電流動作型のものであること。
    2. 定格感度電流が( エ )mA以下、動作時間が0.1秒以下のものであること。
  5. 電気さくに電気を供給する電路には、容易に開閉できる箇所に専用の開閉器を施設すること。
  6. 電気さく用電源装置のうち、衝撃電流を繰り返して発生するものは、その装置及びこれに接続する電路において発生する電波又は高周波電流が無線設備の機能に継続的かつ重大な障害を与えるおそれがある場所には、施設しないこと。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    (ア)      (イ)   (ウ)  (エ)

  1. 感電又は火災  危険    100  15
  2. 感電又は火災  電気さく  30   10
  3. 損壊      電気さく  100  15
  4. 感電又は火災  危険    30   15
  5. 損壊      電気さく  100  10

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

( ア )の直前には「絶縁性がないことを考慮し」とあるので、このあとに続くのは、物理的な「損壊」ではなく、電気的な「感電又は火災」だとわかります。

( イ )には「危険」か「電気さく」が入りますが、「電気さく」と表示されていても、人によっては(子どもなど)その危険性を感じ取れないかもしれません。ここでは、危険性を理解して近づかないでもらうのが主旨なので、危険である旨の表示をはっきり示す必要があります。よって、(イ)は「危険」となります。

( ウ )と( エ )に関して、電気さく用電源装置の使用電圧と漏電遮断器の性能は「電気設備技術基準の解釈」第192条(電気さくの施設)の4に規定されています。この条文は以下の通りです。

電気さく用電源装置(直流電源装置を介して電気の供給を受けるものにあっては、直流電源装置)が使用電圧30V以上の電源から電気の供給を受けるものである場合において、人が容易に立ち入る場所に電気さくを施設するときは、当該電気さくに電気を供給する電路には次に適合する漏電遮断器を施設すること。

  1. 電流動作型のものであること。
  2. 定格感度電流が15mA以下、動作時間が0.1秒以下のものであること

よって、( ウ )には「30」が、( エ )には「15」が入ります。

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