電験三種 H28年 法規 問1 問題と解説

 問 題     

次の文章は、「電気事業法」及び「電気事業法施行規則」に基づく主任技術者の選任等に関する記述である。

自家用電気工作物を設置する者は、自家用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせるため主任技術者を選任しなければならない。

ただし、一定の条件を満たす自家用電気工作物に係る事業場のうち、当該自家用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督に係る業務を委託する契約が、電気事業法施行規則で規定した要件に該当する者と締結されているものであって、保安上支障のないものとして経済産業大臣(事業場が一の産業保安監督部の管轄区域内のみにある場合は、その所在地を管轄する産業保安監督部長)の承認を受けたものについては、電気主任技術者を選任しないことができる。

下記a~dのうち、上記の記述中の下線部の「一定の条件を満たす自家用電気工作物に係る事業場」として、適切なものと不適切なものの組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 電圧22000Vで送電線路と連系をする出力2000kWの内燃力発電所
  2. 電圧6600Vで送電する出力3000kWの水力発電所
  3. 電圧6600Vで配電線路と連系をする出力500kWの太陽電池発電所
  4. 電圧6600Vで受電する需要設備

    a    b    c     d

  1. 適切   不適切  適切   適切
  2. 不適切  不適切  適切   適切
  3. 適切   不適切  不適切  適切
  4. 不適切  適切   適切   不適切
  5. 適切   適切   不適切  不適切

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

事業用電気工作物を設置する際は、普通、主任技術者を選任しなくてはいけません。しかし、事業用電気工作物(電気事業の用に供する電気工作物+自家用電気工作物)のうち、一定の条件を満たした自家用電気工作物であれば、主任技術者を選ばずに保安管理業務を委託することが可能となります。

その例外規定は以下の通りです(電気事業法施行規則第52条2項)。

  1. 出力5000kW未満の太陽電池発電所または蓄電所であって電圧7000V以下で連系等をするもの
  2. 出力2000kW未満の水力発電所、火力発電所、風力発電所であって電圧7000V以下で連系等をするもの
  3. 出力1000kW未満の発電所であって電圧7000V以下で連系等をするもの
  4. 電圧7000V以下で受電する需要設備
  5. 電圧600V以下の配電線路

ここで問題文に記載されている事業所と上記の条件を見比べていきます。

aの事業所は内燃力発電所なので、条件の3つ目と比較します。出力1000kW以上は条件に合わないので、これは不適切です(ちなみに電圧も7000Vを超えていて、やはり不適切です)。

bの事業所は水力発電所なので、これは条件の2つ目と比較しますが、出力が2000kW以上なので、これも不適切です。

cの事業所は太陽電池発電所なので、これは条件の1つ目と比較します。すると、5000kW未満かつ7000V以下なので適切であると判断できます。

dの事業所は需要設備なので、条件の4つ目のとの比較となり、適切であることがわかります。

以上から、aとbが不適切で、cとdで適切であるので、正解は(2)となります。

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