電験三種 H27年 機械 問10 問題と解説

 問 題     

図のような直流チョッパがある。

直流電源電圧E=400V、平滑リアクトルL=1mH、負荷抵抗R=10Ω、スイッチSの動作周波数f=10kHz、通流率d=0.6で回路が定常状態になっている。Dはダイオードである。このとき負荷抵抗に流れる電流の平均値[A]として最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 2.5
  2. 3.8
  3. 16.0
  4. 24.0
  5. 40.0

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

直流電源電圧E=400Vに対して、通流率d=0.6であるので、定常状態における負荷の平均電圧Vは、

となります。

ただし、これはあくまで平均値で、実際には負荷抵抗のとなりにコイルがあるので、スイッチがオンになっている間はコイルに電力が溜まっていき、スイッチがオフされている間は、問題文の回路の右半分だけを使って、コイルから電力が放出されることになります。

つまり、充電中はそのうち240Vを超えていく一方、放電中は段々と電圧が下がって、240Vを下回ることになります。けれど、この問題では平均値の話しかしていないので、これについて特に気にする必要はありません。もし、このような経時変化を押さえておきたいのなら、直流チョッパのページを参照してください。

問われているのは負荷抵抗に流れる電流の平均値Iですが、上記の通り、平均電圧Vが240Vで、問題文より抵抗Rは10Ωなので、

という計算により、求める電流値がわかります。問題文では平滑リアクトルLや周波数fの値も与えられていますが、これらの値は使いません。

上記の通り、コイルはスイッチのオン・オフに応じて充電したり放電したりしているだけなので、ある瞬間においてはしっかり働いていますが、平均値として見ればコイルの両端の電圧は0Vとなります。

よって、今回のように平均値が問われている際には、コイルの両端に生じる電圧などについては考える必要がありません。

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