電験三種 H27年 機械 問4 問題と解説

 問 題     

定格電圧、定格電流、力率1.0で運転中の三相同期発電機がある。百分率同期インピーダンスは85%である。励磁電流を変えないで、無負荷にしたとき、この発電機の端子電圧は定格電圧の何倍になるか。最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

ただし、電機子巻線抵抗と磁気飽和は無視できるものとする。

  1. 1.0
  2. 1.1
  3. 1.2
  4. 1.3
  5. 1.4

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

三相同期発電機の1相分の等価回路は次のように描くことができます(場合によってはxsの隣に電機子巻線抵抗がありますが、今回は問題文より無視できるので記入していません)。

  • E:誘導起電力 [V](1相あたりはその√3分の1)
  • Vn:定格電圧 [V]
  • Vn/√3:定格運転時の1相あたりの端子電圧 [V]
  • In:定格時の電機子電流 [A]
  • xs:同期リアクタンス [Ω]

上図において、端子電圧は力率1で、同期インピーダンスは電機子巻線抵抗を無視できるため、同期リアクタンスと同じ意味になるため、ベクトル図は下図のように描くことができます。

ここで、Inxs=0.85Vn/√3と書き込んであるのは、百分率同期インピーダンスが、端子電圧(定格運転時、1相あたり)に対するインピーダンス降下を%で表したものだからです。

よって、上図に対して三平方の定理を使うと、誘導起電力Eは、

と表すことができます。

無負荷運転時の端子電圧は、(電機子巻線抵抗を無視できるときは)誘導起電力Eとそのまま同じ値をとるので、上記の計算式から、無負荷時の端子電圧は定格電圧の約1.3倍となります。

よって、正解は(4)です。

コメント