問 題
定格容量が50kV・Aの単相変圧器3台をΔ‐Δ結線にし、一つのバンクとして、三相平衡負荷(遅れ力率0.90)に電力を供給する場合について、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
(a) 図1のように消費電力90kW(遅れ力率0.90)の三相平衡負荷を接続し使用していたところ、3台の単相変圧器のうちの1台が故障した。負荷はそのままで、残りの2台の単相変圧器をV‐V結線として使用するとき、このバンクはその定格容量より何[kV・A]過負荷となっているか。最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 0
- 3.4
- 10.0
- 13.4
- 18.4
(b) 上記(a)において、故障した変圧器を同等のものと交換して50kV・Aの単相変圧器3台をΔ‐Δ結線で復旧した後、力率改善のために、進相コンデンサを接続し、バンクの定格容量を超えない範囲で最大限まで三相平衡負荷(遅れ力率0.90)を増加し使用したところ、力率が0.96(遅れ)となった。
このときに接続されている三相平衡負荷の消費電力の値[kW]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 135
- 144
- 150
- 156
- 167
解 説
(a)
負荷の消費電力(有効電力)P負荷が90kWで、遅れ力率は0.90なので、定格容量(皮相電力)P定格は、
となります。
一方、2台の単相変圧器をV結線とした際の容量PVは
- V:V-V結線での線間電圧[V]
- I:V-V結線での線電流[A]
- P:単相変圧器1台あたりの容量[V・A]
なので、このバンクは定格容量よりも、
だけ過負荷になっていることがわかります。
(b)
(b)の前に、先ほどの(a)のときはV-V結線だったので、上記の通り、50kV・Aを2台合わせても100kV・Aにはならず、86.6kV・Aにしかなりませんでした。V-V結線だとこのように出力が低くなってしまうので、普通は使わず、この問題のようにΔ-Δ結線の故障時の応急対応として用いられます。
一方、(b)では復旧によりΔ-Δ結線に戻ったので、今度は50kV・Aを3台合わせてフルに150kV・Aを使えることになります。よって、150kV・Aに対して力率0.96を掛けたものが三相平衡負荷の消費電力P’となるので、求める答えは、
と算出できます。
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