電験三種 H27年 法規 問5 問題と解説

 問 題     

次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく、高圧電路又は特別高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器(鉄道若しくは軌道の信号用変圧器又は電気炉若しくは電気ボイラーその他の常に電路の一部を大地から絶縁せずに使用する負荷に電気を供給する専用の変圧器を除く。)に施す接地工事に関する記述の一部である。

高圧電路又は特別高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器には、次のいずれかの箇所に( ア )接地工事を施すこと。

  1. 低圧側の中性点
  2. 低圧電路の使用電圧が( イ )V以下の場合において、接地工事を低圧側の中性点に施し難いときは、( ウ )の1端子
  3. 低圧電路が非接地である場合においては、高圧巻線又は特別高圧巻線と低圧巻線との間に設けた金属製の( エ )

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  (ア)  (イ)      (ウ)        (エ)

  1. B種  150  低圧側         混触防止板
  2. A種  150  低圧側         接地板
  3. A種  300  高圧側又は特別高圧側  混触防止板
  4. B種  300  高圧側又は特別高圧側  接地板
  5. B種  300  低圧側         混触防止板

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

( ア )には「A種」か「B種」が入りますが、A種接地工事は、高圧や特別高圧のような高い電圧で使用する電気機器に対して行う接地工事です。一方、B種接地工事は、低圧の電路と高圧(or特別高圧)の電路が接触する際、低圧側の電圧を異常に上昇させないようにするために必要な接地工事です。

今回の場合は、低圧の電路と高圧or特別高圧との結合なので、( ア )には「B種」が入ります。

上記の通り、B種接地工事は低圧側の電圧を異常に上昇させないようにするのが目的です。よって、問題文aにあるように、低圧側の中性点で接地するのが一般的です。ただし、ここで接地するのが難しい場合、低圧電路の使用電圧が300V以下のときに限っては、低圧側の1端子で接地してもよいことになっています。

以上から、( イ )には「300」が、( ウ )には「低圧側」が入ります。( イ )は知識問題となってしまいますが、( ウ )はB種接地工事の目的を考えれば、高圧側(特別高圧側)で接地しても意味がないと推測できます。

また、低圧電路が非接地である場合は、低圧側の中性点で1端子でも接地することができません。このような場合は、低圧の電路と高圧(or特別高圧)の電路との間に金属製の板を設け、そこにB種接地工事を施します。

この板は、低圧側のコイルと高圧(or特別高圧)側のコイルとの接触を防ぐ役割を担っているので、混触防止板と呼ばれます。よって、( エ )には「混触防止板」が入ります。

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