電験三種 H25年 理論 問11 問題と解説

 問 題     

極めて高い純度に精製されたケイ素(Si)の真性半導体に、微量のリン(P)、ヒ素(As)などの( ア )価の元素を不純物として加えたものを( イ )形半導体といい、このとき加えた不純物を( ウ )という。

ただし、Si、P、Asの原子番号は、それぞれ14,15,33である。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  (ア) (イ)  (ウ)

  1. 5  p  アクセプタ
  2. 3  n  ドナー
  3. 3  p  アクセプタ
  4. 5  n  アクセプタ
  5. 5  n  ドナー

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

ケイ素は4価の元素で、陽イオンにも陰イオンにもなりにくいために真性半導体として使われます。

これが5価のリンやヒ素が加わると陰イオンになりやすいため、n形半導体として使われます。「n」は「negative」の頭文字で、陰イオンの「陰」もしくは負イオンの「負」を意味します。

ちなみに、3価のホウ素やガリウムなどは陽イオンになりやすいので、p形半導体として使われます。「p」は「positive」の頭文字で、陽イオンの「陽」もしくは正イオンの「正」を意味します。

また、p形半導体を作るための不純物のことを「アクセプタ」、n形半導体を作るための不純物のことを「ドナー」といいます。これは3価の元素は電子不足なために電子を受け取る(=アクセプト)能力があるので、このように呼ばれます。一方、5価の元素は電子が豊富なので提供する(=ドナー)能力があるので、このように呼ばれます。

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