問 題
定格容量10[kV・A]、定格一次電圧1000[V]、定格二次電圧100[V]の単相変圧器で無負荷試験及び短絡試験を実施した。
高圧側の回路を開放して低圧側の回路に定格電圧を加えたところ、電力計の指示は80[W]であった。次に、低圧側の回路を短絡して高圧側の回路にインピーダンス電圧を加えて定格電流を流したところ、電力計の指示は120[W]であった。
(a) 巻線の高圧側換算抵抗[Ω]の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.0
- 1.2
- 1.4
- 1.6
- 2.0
(b) 力率cosφ=1の定格運転時の効率[%]の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 95
- 96
- 97
- 98
- 99
正解 (a)-(2), (b)-(4)
解 説
変圧器で無負荷試験と短絡試験を行うのは、無負荷損(≒鉄損)と負荷損(≒銅損)を知るためです。無負荷試験により無負荷損(≒鉄損)がわかり、短絡試験により負荷損(≒銅損)がわかります。
(a)
まず、問題文で定格容量と定格一次電圧がわかっているので、定格一次電流が次のように計算できます。
また、短絡試験では低圧側(二次側)を短絡して高圧側(一次側)に定格電流を流した結果、電力が120[W]となったので、高圧側換算抵抗は、次のような計算により求めることができます。
(b)
まず、力率が1なので、問題文にある定格容量10[kV・A]がそのまま出力10[kW]となります。また、繰り返しになりますが、無負荷試験で得られた結果である80[W]が無負荷損(≒鉄損)、短絡試験で得られた結果である120[W]が負荷損(≒銅損)となります。
効率は、入力に対する出力の割合ですが、入力は出力と無負荷損と負荷損の合計なので、次のように計算できます。
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