電験三種 H25年 機械 問15 問題と解説

 問 題     

定格容量10[kV・A]、定格一次電圧1000[V]、定格二次電圧100[V]の単相変圧器で無負荷試験及び短絡試験を実施した。

高圧側の回路を開放して低圧側の回路に定格電圧を加えたところ、電力計の指示は80[W]であった。次に、低圧側の回路を短絡して高圧側の回路にインピーダンス電圧を加えて定格電流を流したところ、電力計の指示は120[W]であった。

(a) 巻線の高圧側換算抵抗[Ω]の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 1.0
  2. 1.2
  3. 1.4
  4. 1.6
  5. 2.0

(b) 力率cosφ=1の定格運転時の効率[%]の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 95
  2. 96
  3. 97
  4. 98
  5. 99

 

 

 

 

 

正解 (a)-(2), (b)-(4)

 解 説    

変圧器で無負荷試験と短絡試験を行うのは、無負荷損(≒鉄損)と負荷損(≒銅損)を知るためです。無負荷試験により無負荷損(≒鉄損)がわかり、短絡試験により負荷損(≒銅損)がわかります。

(a)

まず、問題文で定格容量と定格一次電圧がわかっているので、定格一次電流が次のように計算できます。

また、短絡試験では低圧側(二次側)を短絡して高圧側(一次側)に定格電流を流した結果、電力が120[W]となったので、高圧側換算抵抗は、次のような計算により求めることができます。

(b)

まず、力率が1なので、問題文にある定格容量10[kV・A]がそのまま出力10[kW]となります。また、繰り返しになりますが、無負荷試験で得られた結果である80[W]が無負荷損(≒鉄損)、短絡試験で得られた結果である120[W]が負荷損(≒銅損)となります。

効率は、入力に対する出力の割合ですが、入力は出力と無負荷損と負荷損の合計なので、次のように計算できます。

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