電験三種 H25年 法規 問2 問題と解説

 問 題     

「電気事業法」及び「電気事業法施行規則」に基づき、事業用電気工作物の設置又は変更の工事の計画には経済産業大臣に事前届出を要するものがある。次の工事を計画するとき、事前届出の対象となるものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 受電電圧6600[V]で最大電力2000[kW]の需要設備を設置する工事
  2. 受電電圧6600[V]の既設需要設備に使用している受電用遮断器を新しい遮断器に取り替える工事
  3. 受電電圧6600[V]の既設需要設備に使用している受電用遮断器の遮断電流を25[%]変更する工事
  4. 受電電圧22000[V]の既設需要設備に使用している受電用遮断器を新しい遮断器に取り替える工事
  5. 受電電圧22000[V]の既設需要設備に使用している容量5000[kV・A]の変圧器を同容量の新しい変圧器に取り替える工事

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

問題文に該当するのは、電気事業法施行規則第65条1項です。この項の本文は以下の通りとなります。

事業用電気工作物の設置又は変更の工事であって、別表第二の上欄に掲げる工事の種類に応じてそれぞれ同表の下欄に掲げるもの(事業用電気工作物が滅失し、若しくは損壊した場合又は災害その他非常の場合において、やむを得ない一時的な工事としてするものを除く。)

よって、選択肢の工事が別表第二の記載に合うか合わないかがポイントになります。別表第二は長いので、全てを覚えようとせず、過去問題を解く中で出てきたものを重要事項として押さえておけばよいと思います。

選択肢(1)について、需要設備を設置する工事では、受電電圧が10,000[V]未満なら届出が必要ありません。

選択肢(2)について、遮断器を変更する工事でも、受電電圧が10,000[V]未満なら届出が必要ありません。

選択肢(3)も遮断器を変更する工事なので、(2)と同様ですが、遮断器の改造(遮断電流の変更)では、受電電圧が10,000[V]以上で、かつ、遮断電流を20[%]以上変える場合に届出が必要となります。今回は遮断電流は20[%]以上変更しているものの、受電電圧が10,000[V]未満なので、届出不要となります。

選択肢(4)は、(2)の文章とほぼ一緒で、受電電圧が大きいか小さいかだけです。22,000[V]は10,000[V]以上なのでこれが正解になりますが、(2)と(4)の連動性を考えると、たとえ知識がなくても明らかにこの選択肢が怪しいといえます(どちらも不正解なのに極端に似た選択肢を2つも用意するのは、選択肢の無駄遣いになってしまうためです)。

選択肢(5)について、変圧器は、別表第二でいうところの「遮断器及び電力貯蔵装置以外の機器」に該当します。届出が必要なのは、電圧10,000[V]以上でかつ、容量10,000[kVA]以上または出力10,000[kW]以上のときです。

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