電験三種 H25年 法規 問1 問題と解説

 問 題     

次のa、b及びcの文章は、主任技術者に関する記述である。

その記述内容として、「電気事業法」に基づき、適切なものと不適切なものの組合せについて、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

a) 電気事業の用に供する電気工作物を設置する者は、電気事業の用に供する電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせるため、経済産業省令で定めるところにより、主任技術者免状の交付を受けている者のうちから、主任技術者を選任しなければならない。

b) 主任技術者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督の職務を誠実に行わなければならない。

c) 事業用電気工作物の工事、維持又は運用に従事する者は、主任技術者がその保安のためにする指示に従わなければならない。

   a     b    c

  1. 不適切  適切   適切
  2. 不適切  不適切  適切
  3. 適切   不適切  不適切
  4. 適切   適切   適切
  5. 適切   適切   不適切

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

本問は、「電気事業法」第43条(主任技術者)からの出題です。この条文は以下の通りとなります。

  1. 事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせるため、主務省令で定めるところにより、主任技術者免状の交付を受けている者のうちから、主任技術者を選任しなければならない。
  2. 自家用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く。)を設置する者は、前項の規定にかかわらず、主務大臣の許可を受けて、主任技術者免状の交付を受けていない者を主任技術者として選任することができる。
  3. 事業用電気工作物を設置する者は、主任技術者を選任したとき(前項の許可を受けて選任した場合を除く。)は、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。これを解任したときも、同様とする。
  4. 主任技術者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督の職務を誠実に行わなければならない。
  5. 事業用電気工作物の工事、維持又は運用に従事する者は、主任技術者がその保安のためにする指示に従わなければならない。

上記の条文をそのまま暗記しておく必要はないと思いますが、この条項からの出題は過去にも何度かあるので、試験勉強の段階ではしっかりと内容を理解しておくのが望ましいです。

ここで問題文に戻ると、a)の文章は、「電気工作物を設置するなら、法令で定める主任技術者を選任しなさい」というような主旨が書かれているので、特におかしいところはありません。よって、これは適切な記述です。

なお、これは上記条文の1項と対応しますが、条文の「主務省令」と問題文の「経済産業省令」が違うと思うかもしれません。しかし、主務省は、関係する複数の省どれにでも使える便利な言葉として、法律ではこのような言い回しがよく用いられます。本件では概ね経済産業省の管轄なので、この問題文の表現でも間違いではないことになります。

続いてb)の文章は、「主任技術者は、保安監督の職務をきちんとやりましょう」という当たり前のことが書かれています。これも矛盾点などが特にないので、適切な記述だと判断できます。なお、これは上記条文の4項と対応します。

最後のc)の文章は、「電気工作物を扱う者は主任技術者の指示に従いなさい」という主旨で、これもその通りなので、適切な記述だといえます。これは上記条文の5項と対応します。

以上から、a)~c)の全てが正しい記述であるため、正解は(4)となります。

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