問 題
誘導電動機に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし、誘導電動機の滑りをsとする。
- 誘導電動機の一次回路には同期速度の回転磁界、二次回路には同期速度のs倍の回転磁界が加わる。したがって、一次回路と二次回路の巻数比を1とした場合、二次誘導起電力の周波数及び電圧は一次誘導起電力のs倍になる。
- sが小さくなると、二次誘導起電力の周波数及び電圧が小さくなるので、二次回路に流れる電流が小さくなる。この変化を電気回路に表現するため、誘導電動機の等価回路では、二次回路の抵抗の値を1/s倍にして表現する。
- 誘導電動機の等価回路では、一次巻線の漏れリアクタンス、一次巻線の抵抗、二次巻線の漏れリアクタンス、二次巻線の抵抗、及び電動機出力を示す抵抗が直列回路で表されるので、電動機の力率は1にはならない。
- 誘導電動機の等価回路を構成するリアクタンス値及び抵抗値は、電圧が変化してもsが一定ならば変わらない。s一定で駆動電圧を半分にすれば、等価回路に流れる電流が半分になり、電動機トルクは半分になる。
- 同期速度と電動機トルクとで計算される同期ワット(二次入力)は、二次銅損と電動機出力との和となる。
正解 (4)
解 説
(4)の1文目は正しい記述ですが、2文目の最後が誤っていて、電動機トルクは「半分」ではなく「4分の1」になります。
誘導電動機のトルクの式は、以下のように計算で求めることができます。
- T:誘導電動機のトルク[N・m]
- P2:二次入力[W]
- Ns:同期速度[min-1]
(参考:上式の導出過程)
よって、T[N・m]はP2[W]に比例するため、電圧と電流とがそれぞれ半分になれば、P2[W]は1/4になり、ひいては、電動機トルクも1/4まで下がります。
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