地中送電方式の特徴のページにて、地中送電線は天候の影響を受けないために、架空送電線に比べて故障が少ないということを紹介しました。また、一方で、故障が起きた際には目視で確認できないことがデメリットにもなることも挙げました。
この項と次の項では、地中送電線に地絡事故や断線事故が生じたとき、どのように故障点を見つけ出すかについて解説をします。
故障点を見つけることを「故障点評定」といいますが、その方法には主に以下の4つのいずれかが使われます。
- マーレーループ法
- 交流ブリッジ法
- 静電容量法
- パルスレーダ法
この項では4つの中で最も重要な「マーレーループ法」を紹介し、次項にて残りの3つを扱います。
マーレーループ法
マーレーループ法は、ホイートストンブリッジの原理に基づいた故障点評定です。これは、地絡事故の故障点評定に適用できます。
上図のケーブルAの×印のところに地絡事故が起こったとして、ここが故障点であることを見つけるために、まず図の左側のように2本のケーブル(絶縁破壊を起こしたケーブルAと、故障していないケーブルB)をマーレーループ装置でつなぎ、図の右側のように同じく2本のケーブルを接続線(導線)で接続します。
するとマーレーループ装置がブリッジの平衡条件を求め、0~1000までのある値(図ではaと表示している)をとります。以上から、接地点が図のaのところと故障点の2点となるため、上図に対して以下のような等価回路が書けます。
この図が書けたら、あとはホイートストンブリッジの原理に従うので、平衡条件では対角線上の抵抗値の積が同じになるので、
というように計算すれば、故障点の位置を評定することができます。
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