電験三種 R4年度上期 理論 問7 問題と解説

　問 題　　　　　

図のように、抵抗6個を接続した回路がある。この回路において、ab端子間の合成抵抗の値が0.6Ωであった。このとき、抵抗R_xの値[Ω]として、最も近いものを次の(1)～(5)のうちから一つ選べ。

1. 1.0
2. 1.2
3. 1.5
4. 1.8
5. 2.0

 

 

 

 

 

　解 説　　　　

本問のように四角形の各辺と対角線上に抵抗が並んでいる場合、まずブリッジ回路である可能性を考えたいです。

ブリッジ回路において、四角形の各辺に位置する4つの抵抗のうち、向かい合う2組の抵抗の積が等しいとき、このブリッジ回路は「平衡状態にある」と表現されます。平衡状態にあるときには、四角形の対角線(外部と接続されていない側の対角線)上の抵抗には一切電流が流れません。

今回の場合、四角形の各辺に位置する4つの抵抗について、向かい合う2組の抵抗の積はいずれも1×2＝2で等しいです。よって、外部と接続されていない側の対角線上にある2[Ω]の抵抗には電流が流れません。

よって、この中央の2[Ω]の抵抗は無いものと見なすことができるので、問題の図は下図のように描き換えることができます。

問題文によるとab端子間の合成抵抗の値が0.6[Ω]ということなので、ここから、上図の5つの抵抗を合成して1つの抵抗にまとめていきます。

まずは直列に並んでいる2組の抵抗を合成すると、上図は下図のようになります。

続いて、並列に並んでいる3つの抵抗の合成すると、合成抵抗Rの逆数は次の等式で表されます。

ここで、上式のRの値が0.6[Ω]なので、次のように計算することによってR_xの値を算出することができます。

以上から、正解は(1)となります。