この項では、ボイラの種類とそれぞれの特徴を紹介します。
ボイラには、「自然循環ボイラ」、「強制循環ボイラ」、「貫流ボイラ」の3種類があります。
自然循環ボイラ
まず、自然循環ボイラは次のような構造をしています。
自然循環ボイラは、「ドラム」を中心として、「降水管」と「蒸発管」があるタイプのボイラです。
まず①の矢印のように、給水設備からドラムに水が入り込みます。入ってくるのは液体の水なので、重力に従ってドラムの下のほうに溜まります。
次いで②の矢印ですが、ドラム下部からのびる管を降水管といいますが、これも重力で自然に落ちて(降水して)いきます。
③の矢印のところは、水がしばらく降水管内を進み、途中で燃料の燃焼による加熱で、水が蒸気に変わります。蒸気となって今度は管内を上へと進みますが、ここが蒸発管です(③の後半と④の部分)。
そして、蒸気はドラムの上部に入り込みます。その後、⑤の矢印のようにドラム上部からのびる管へ蒸気が出ていって、過熱器、タービンへと向かいます。
強制循環ボイラ
続いて、強制循環ボイラの説明をします。
自然循環ボイラでは、降水管は水の重力を利用し、蒸発管は蒸気の勢い(密度差による圧力)を利用しました。強制循環ボイラは、この降水管と蒸発管の水の流れを、ポンプによって強制的におこないます。あとの仕組みは自然循環ポンプと同様です。
貫流ボイラ
最後は貫流ボイラです。これは前の2つとはだいぶ構造が違います。
前の循環するタイプに対して、こちらは名前に「つらぬく」とあるように、循環しません。ドラム自体がなく、すべてが水管内で完結します。つまり、給水が水管内を進む過程で燃料により加熱され、蒸発管を進み、過熱器、タービンへと進んでいきます。
ドラムや循環ポンプが要らないので、ボイラ設備の重量が軽いのと、中に入る水量が少ないので起動時間が短いのがメリットです。一方、水量が少ないため、給水と燃料のバランスをうまく制御しなければならず、技術力を要します。
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