問 題
次の文章は、誘導電動機の分類における、固定子と回転子に関する事項に関する記述である。
a.固定子の分類
三相交流を三相巻線に流すと( ア )磁界が発生する。この磁界で運転される誘導電動機を三相誘導電動機という。
一方、単相交流では( イ )磁界が発生する。この( イ )磁界は、正逆両方向の( ア )磁界が合成されたものと説明される。したがって、コンデンサ始動形単相誘導電動機では、コンデンサで位相を進めた電流を始動巻線に短時間流すことによって始動トルクの発生と回転方向の決定が行われる。
b.回転子の分類
巻線形誘導電動機では、回転子溝に巻線を納め、その巻線を( ウ )とブラシを介して外部抵抗回路に接続し、( エ )電流を変化させて特性制御を行う。かご形誘導電動機では、回転子溝に導体棒を納め、( オ )に導体棒を接続する。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- ア イ ウ エ オ
- 回転 交番 スリップリング 二次 端絡環
- 交番 回転 整流子 二次 継鉄
- 交番 回転 スリップリング 一次 継鉄
- 回転 交番 整流子 一次 端絡環
- 交番 固定 スリップリング 二次 継鉄
解 説
三相誘導電動機は、回転磁界を作る固定子と、回転する回転子から構成されます。
固定子の励起電流による同期速度(回転磁界の速度)と、回転子との速度の差(=相対速度)によって回転子に電圧が発生し、その電圧によって回転子に電流が流れる、というのが誘導機の原理です。そのため、( ア )には「回転」を入れるのが適切です。
( ア )が「回転」と決まれば、選択肢から( イ )は「交番」となります。交流電源に接続して電流を流したときに発生するのが交番磁界なので、( イ )は「交番」で間違いないと判断できます。
( ウ )~( オ )について、回転子は、巻線形回転子とかご形回転子との2種類に分類されます。
巻線形回転子では、回転子導体がスリップリング、ブラシを通じて外部抵抗に接続できるような構造になっています。外部抵抗の値を変えて二次電流を増減させることで特性制御を行っています。よって、( ウ )は「スリップリング」、( エ )は「二次」となります。
一方、かご形回転子では、回転子溝に導体を納めて、棒状の導体の両端を端絡環に溶接(ろう付けでも可)した構造になっています。よって、( オ )には「端絡環」が入ります。
以上から、( ア )は「回転」、( イ )は「交番」、( ウ )は「スリップリング」、( エ )は「二次」、( オ )は「端絡環」となるので、正解は(1)です。
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