電験三種 R3年 電力 問4 問題と解説

 問 題     

次の文章は、電気集じん装置に関する記述である。

火力発電所で発生する灰じんなどの微粒子は、電気集じん装置により除去される。典型的な電気集じん装置は、集じん電極である( ア )の間に放電電極である( イ )を置いた構造である。

電極間の( ウ )によって発生した( エ )放電により生じたイオンで微粒子を帯電させ、クーロン力によって集じん電極で捕集する。集じん電極に付着した微粒子は一般的に、集じん電極( オ )取り除く。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  •  ア    イ    ウ   エ     オ
  1. 線電極  平板電極 高電圧 コロナ に風を吹きつけて
  2. 線電極  平板電極 大電流 アーク を槌でたたいて
  3. 平板電極 線電極  大電流 アーク に風を吹きつけて
  4. 平板電極 線電極  高電圧 コロナ を槌でたたいて
  5. 平板電極 線電極  大電流 コロナ を槌でたたいて

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

電気集じん装置は、電極に高電圧をかけ、コロナ放電で放電電極から放出される負イオンによってガス中の粒子を帯電させ、分離・除去するという仕組みの装置です。

( ア )について、電気集じん装置は2枚(1対)の平板電極に微粒子を付着させるので、集じん電極は「平板電極」とするのが適切です。集じん電極は名前の通り集じんを目的とするので、線電極では細すぎて捕集効率が悪くなるため、現実的ではありません。

( イ )について、放電電極は放電を発生させるための電極です。そのため、集じん電極のように場所を広く取るような必要もないため、「線電極」を用います。

( ウ )と( エ )で、高電圧による放電はコロナ放電、大電流による放電はアーク放電です。解説の冒頭でも示したように、電気集じん装置はコロナ放電を利用した集じんシステムなので、( ウ )には「高電圧」が、( エ )には「コロナ」が入ります。

( オ )で、集じん電極に付着した微粒子が増えすぎると集じん性能が下がってしまうので、定期的に微粒子を取り除く必要があります。風を吹きつけるくらいでは除去できないので、集じん電極を槌でたたいて、物理的な強い振動を与えて除去します。よって、( オ )は「を槌でたたいて」です。

以上から、正解は(4)となります。

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