問 題
次の文章は、「電気設備技術基準」及び「電気設備技術基準の解釈」に基づく引込線に関する記述である。
- 引込線とは、( ア )及び需要場所の造営物の側面等に施設する電線であって、当該需要場所の( イ )に至るもの
- ( ア )とは架空電線路の支持物から( ウ )を経ずに需要場所の( エ )に至る架空電線
- ( オ )とは、引込線のうち一需要場所の引込線から分岐して、支持物を経ないで他の需要場所の( イ )に至る部分の電線
上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- ア イ ウ エ オ
- 架空引込線 引込口 他の需要場所 取付け点 連接引込線
- 連接引込線 引込口 他の需要場所 取付け点 架空引込線
- 架空引込線 引込口 他の支持物 取付け点 連接引込線
- 連接引込線 取付け点 他の需要場所 引込口 架空引込線
- 架空引込線 取付け点 他の支持物 引込口 連接引込線
解 説
この問題では、下図を見ながら解説を読んでください。
問題文と選択肢(ア)、(オ)を読むと、a)は「引込線」の、b)とc)は一方が「架空引込線」で他方が「連接引込線」の用語の説明となっていることがわかります。
b)の文章では、「架空電線路の支持物から需要場所に至る架空電線」というようなことが書いてあるので、需要場所に架空電線を引き込んでいるという意味から「架空引込線」の説明文となります。よって、( ア )は「架空引込線」です。上図の赤線部分に該当します。
c)の文章では、「一需要場所の引込線から分岐して他の需要場所に至る部分の電線」とあり、「分岐」をキーワードとして考えれば「連接引込線」の説明文であることがわかります。よって、( オ )には「連接引込線」が入ります。上図の緑線部分に該当します。
(イ)と(オ)の選択肢には「引込口」と「取付け点」があるので、まずはこれらの違いについて説明します。
架空引込線は送配電事業者の電線なので、これを需要場所側の電線と接続するポイントが必要です。この点のことを「取付け点」といいます。上図の赤点のところです。
取付け点の場所はまだ屋外ですが、実際には屋内まで引き込む必要があります。ちょうど屋内に入るポイントのことを「引込口」といいます。上図の青点や緑点のところです。
ここで、a)の文章は引込線の説明文となっていますが、引込線は上図の赤線と青線を合わせた部分で、支持物から引込口までとなります。よって、( イ )には「引込口」が入ります。
また、b)の文章は架空引込線の説明文であり、これは上図の赤線部分(支持物から取付け点まで)のことなので、( エ )には「取付け点」が入ります。
最後に残る( ウ )について、ここだけはちょっと判断が難しいかもしれません。というのも、ここに「他の需要場所」を入れても「他の支持物」を入れても、意味合いとしては問題がなさそうに思えるからです。
そのため、以下の解説を読んでピンとこない場合には、選択肢(1)と(3)の2択まで絞ればあとは運任せで答えても仕方ないと思います。
仮に( ウ )に「他の需要場所」が入るとすると、他の需要場所から目的の需要場所に至る電線は「連接引込線」となります。需要場所同士を結ぶ電線なので、これは架空電線(送配電事業者の電線)とは何の関係もありません。
しかし、b)の文末には「~に至る架空電線」とあるので、ここでは架空電線の一種の話をしています。連接引込線は架空電線とは何の関係もないのに、わざわざ「~を経ずに」と書いて連接引込線を除外しようとする意味がありません。
よって、( ウ )に「他の需要場所」を入れるのは不適切であると判断できます。
一方、( ウ )に「他の支持物」を入れた場合、支持物から他の支持物の間の電線は、ただの「架空電線」です。つまり、これは架空電線ではあるけれど架空引込線ではないという意味で、「~を経ずに」と明記することに意義があります。
よって、( ウ )には「他の支持物」を入れるのが適当です。
別解として、c)の文章では2つの需要場所を「一需要場所」と「他の需要場所」と呼び分けているのに対し、b)の文章では「需要場所」として書いていないので、( ウ )に「他の需要場所」を入れるのはおかしい…といった文章読解的なアプローチでもよいと思います。
以上から、正解は(3)となります。
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