電験三種 R1年 法規 問1 問題と解説

 問 題     

次の文章は、「電気事業法」に基づく電気事業に関する記述である。

a 小売供給とは、( ア )の需要に応じ電気を供給することをいい、小売電気事業を営もうとする者は、経済産業大臣の( イ )を受けなければならない。小売電気事業者は、正当な理由がある場合を除き、その小売供給の相手方の電気の需要に応ずるために必要な( ウ )能力を確保しなければならない。

b 一般送配電事業とは、自らの送配電設備により、その供給区域において、( エ )供給及び電力量調整供給を行う事業をいい、その供給区域における最終保障供給及び離島の需要家への離島供給を含む。一般送配電事業を営もうとする者は、経済産業大臣の( オ )を受けなければならない。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  • (ア)   (イ)  (ウ)   (エ)   (オ)
  1. 一般  登録  供給  託送   許可
  2. 特定  許可  発電  特定卸  認可
  3. 一般  登録  発電  特定卸  許可
  4. 一般  許可  供給  特定卸  認可
  5. 特定  登録  供給  託送   認可

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

問題文はのaは「電気事業法」の第2条、bは第3条に関する内容となっています。

( ア )には「一般」か「特定」が入ります。小売というのは、商品を消費者に提供する、流通の最終段階を指す言葉です。よって、小売供給というのは、電気を一般的な需要家に供給することとなります。つまり、( ア )には「一般」が入ります。

( イ )について、小売電気事業は登録制なのか許可制なのかということですが、一定の条件やルールを守りさえすれば誰でもこの事業を行うことができるので、登録制となります。よって、( イ )には「登録」が入ります。

( ウ )に関して、aの文章の1文目に「小売供給とは~電気を供給することをいい」とあるので、この事業に必要なのは電気を供給する能力です。自分で発電する必要はなく、受電(買電)したものを供給しても構いません。よって、( ウ )には「供給」が入ります。

( エ )で、一般送配電事業とは、託送供給と電力量調整供給を行う事業のことを指す言葉です。

「送るのを託す」と書いて託送となりますが、ある発電事業者が発電した電気を離れた需要家に供給したいとき、送配電設備がないと遠くへ電力を供給することができません。そこで、送配電ネットワークを持つ電力会社に送電を託すことになります。これが託送供給です。

つまり、一般送配電事業者とは、送配電ネットワークを有して託送供給を行える電力会社のことで、具体的には東京電力パワーグリッド㈱や、北海道電力㈱、関西電力㈱などが挙げられます。

よって、( エ )には「託送」が入ります。

( オ )に関して、一般送配電事業は許可制となります。国内では地方ごとにそれぞれ許可を受けている会社があり、関東地方なら東京電力パワーグリッド㈱、四国地方なら四国電力㈱というように10の会社が許可されています。

よって、( オ )には「許可」が入ります。

以上から、正解は(1)となります。

コメント