電験三種 H30年 機械 問1 問題と解説

 問 題     

界磁磁束を一定に保った直流電動機において、0.5Ωの抵抗値をもつ電機子巻線と直列に始動抵抗(可変抵抗)が接続されている。この電動機を内部抵抗が無視できる電圧200Vの直流電源に接続した。静止状態で電源に接続した直後の電機子電流は100Aであった。

この電動機の始動後、徐々に回転速度が上昇し、電機子電流が50Aまで減少した。トルクも半分に減少したので、電機子電流を100Aに増やすため、直列可変抵抗の抵抗値をR1[Ω]からR2[Ω]に変化させた。R1及びR2の値の組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

ただし、ブラシによる電圧降下、始動抵抗を調整する間の速度変化、電機子反作用及びインダクタンスの影響は無視できるものとする。

   R1   R2

  1. 2.0  1.0
  2. 4.0  2.0
  3. 1.5  1.0
  4. 1.5  0.5
  5. 3.5  1.5

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

問題文に書かれた条件を回路図にすると、以下のように表すことができます。

  • V:外部電源電圧[V]
  • E:逆起電力[V]
  • I:電機子電流[A]
  • R:始動抵抗(可変抵抗)[Ω]

ここで、問題文の前半に書かれているのは、V=200、I=100であり、かつ、静止状態から電源に接続した直後のため逆起電力はまだ生じていないのでE=0です。このとき、可変抵抗R1は次のような計算によって求めることができます。

この時点で、正解を(3)か(4)に絞れます。

続いて、しばらくすると電機子電流がI=50に変化したのは、電機子の始動によって逆起電力Eが発生したためです。先ほどと同じようにキルヒホッフの法則を使えば、このEを求めることができます。なお、可変抵抗の値は変化させてないので、上で算出したR1の値を使います。

今度はI=100にするためにR1の値をR2に変化させていますが、ほかのパラメータは変えていないので、三度同じ式を使うことで、以下のようにR2を求めることができます。

よって、正解は(4)となります。

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