電験三種 H26年 法規 問8 問題と解説

 問 題     

次の文章は、油入変圧器における絶縁油の劣化についての記述である。

  1. 自家用需要家が絶縁油の保守、点検のために行う試験には、( ア )試験及び酸価度試験が一般に実施されている。
  2. 絶縁油、特に変圧器油は、使用中に次第に劣化して酸価が上がり、( イ )や耐圧が下がるなどの諸性能が低下し、ついには泥状のスラッジができるようになる。
  3. 変圧器油劣化の主原因は、油と接触する( ウ )が油中に溶け込み、その中の酸素による酸化であって、この酸化反応は変圧器の運転による( エ )の上昇によって特に促進される。そのほか、金属、絶縁ワニス、光線なども酸化を促進し、劣化生成物のうちにも反応を促進するものが数多くある。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

    (ア)    (イ)   (ウ)   (エ)

  1. 絶縁耐力  抵抗率   空気   温度
  2. 濃度    熱伝導率  絶縁物  温度
  3. 絶縁耐力  熱伝導率  空気   湿度
  4. 絶縁抵抗  濃度    絶縁物  温度
  5. 濃度    抵抗率   空気   湿度

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

絶縁油の試験として最も重要かつ試験でも頻出なのが「絶縁耐力試験」です。

絶縁耐力とは、電路と大地との間に試験電圧(最大使用電圧よりも高い電圧)をかけても絶縁性能が保障されるという耐久性のことですが、その試験では、試験電圧を連続して10分間加えることが普通です。試験電圧がどのくらいかは、電路の種類や最大使用電圧によって変わってきます。よって、( ア )には「絶縁耐力」が入ります。

( イ )を含む文章は、絶縁油が劣化して質が下がるという話をしています。絶縁性が下がるということは電気を通しやすくなるということなので、「抵抗率」が下がります。

( ウ )は直後に「その中の酸素」とあるので、ここは酸素を含む「空気」を選ぶのが適切です。

( エ )について、酸化反応は化学反応の一種なので、「温度」による影響が大きいです。高温条件では酸化が進みやすく、低温であれば酸化は進行しにくいです。

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