問 題
架空送電線路の雷害対策に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 直撃雷から架空送電線を遮へいする効果を大きくするためには、架空地線の遮へい角を小さくする。
- 送電用避雷装置は雷撃時に発生するアークホーン間電圧を抑制できるので、雷による事故を抑制できる。
- 架空地線を多条化することで、架空地線と電力線間の結合率が増加し、鉄塔雷撃時に発生するアークホーン間電圧が抑制できるので、逆フラッシオーバの発生が抑制できる。
- 二回線送電線路で、両回線の絶縁に格差を設け、二回線にまたがる事故を抑制する方法を不平衡絶縁方式という。
- 鉄塔塔脚の接地抵抗を低減させることで、電力線への雷撃に伴う逆フラッシオーバの発生を抑制できる。
正解 (5)
解 説
(1)は正しいです。架空地線と鉄塔を結ぶ直線と鉛直線のなす角を遮へい角といいます。架空地線が高い位置にあって遮へい角が小さくなるほど、直撃雷を防ぐ効果が大きくなります。
(2)も正しいです。送電用避雷装置をがいしと並列に設置することで、雷撃時に発生するアークホーン間電圧を避雷器が吸収し、がいしのフラッシオーバを防ぐことができるため、雷による事故の抑制に繋がります。
(3)も正しいです。架空地線を多条化にすると、架空地線と送電線の間の静電結合が強くなります。
これにより、鉄塔に落雷して鉄塔の電位が急上昇した際に、電力線の電位も一緒になって引っ張り上げられるため、鉄塔と電力線の電位差(アークホーン間電圧)が小さくなり、逆フラッシオーバが起こりにくくなります。
(4)も正しいです。二回線送電線路に雷が落ちた際、両方の回線が同時に停止してしまうと大規模な停電につながります。
これを防ぐため、片方の回線のがいしの個数を減らすなどして絶縁耐力に差をつけ(不平衡絶縁方式)、雷撃時には意図的に片回線だけをフラッシオーバさせて、もう一方は健全に保つことで両回線同時の事故を抑制しています。
(5)が誤りです。逆フラッシオーバとは、架空地線や鉄塔に雷撃があった際に接地抵抗が高いと、架空地線や鉄塔の電圧が異常に上がって送電線に対して放電してしまう現象をいいます。
よって、鉄塔塔脚の接地抵抗を低減させることで逆フラッシオーバの発生を抑制することができるのですが、原因となるのは「電力線への雷撃」ではなく、正しくは「架空地線や鉄塔への雷撃」となります。
以上から、正解は(5)です。

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