問 題
次の文章は、真空遮断器の構造や特徴に関する記述である。
真空遮断器の開閉電極は、( ア )内に密閉され、電極を開閉する操作機構、可動電極が動作しても真空を保つ( イ )、回路と接続する導体などで構成されている。
電路を開放した際に発生するアーク生成物は、真空中に拡散するが、その後、絶縁筒内部に付着することで、その濃度が下がる。
真空遮断器は、空気遮断器と比べると動作時の騒音が( ウ )、機器は小形軽量である。また、真空遮断器は、ガス遮断器と比べると電圧が( エ )系統に広く使われている。
上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(ア) (イ) (ウ) (エ)
- 真空バルブ ベローズ 小さく 高い
- パッファシリンダ ベローズ 大きく 高い
- 真空バルブ ベローズ 小さく 低い
- パッファシリンダ ブッシング変流器 小さく 高い
- 真空バルブ ブッシング変流器 大きく 低い
解 説
真空遮断器の開閉電極は真空バルブ内に密閉されているため、( ア )は「真空バルブ」です。
真空バルブは普通のバルブと異なり、大気と真空を完全に隔離していますが、そのために( イ )の「ベローズ」があります。ベローズは「蛇腹(山折りと谷折りの繰り返し構造)」という意味で、この構造によって可動電極が動作しても隙間ができず、外から大気が混入して真空が破られるようなことが起こらないようになっています。
真空遮断器の特徴は、騒音が小さいことと、機器が小形軽量であることです。よって、( ウ )は「小さく」です。これは、音というのは空気の振動によって発生するからです。
空気以外のものが振動しても音になりますが、真空状態だと振動するものが何もないので、音は発生しません。もちろん、真空遮断器は真空部分以外の部品もたくさんあるので多少の音は出ますが、総じて静かです。
また、真空遮断器はガス遮断器と比べると電圧が低い系統に用いられます。真空状態を作るというのはなかなか難しい技術なので、まだまだ大型化・大容量化はできないのが実情です。よって、現在は比較的低電圧の系統に使われています。つまり、( エ )には「低い」が入ります。
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