接地工事には、A種接地工事、B種接地工事、C種接地工事、D種接地工事の4種類があります。
A種接地工事
A種接地工事とは、高圧や特別高圧のような高い電圧で使用する電気機器に対して行う接地工事です。
接地抵抗値は、10[Ω]以下であることが定められています。
また、接地極は地下75[cm]以上の深さに埋設しなければいけません。鉄柱などの金属体が近くにある場合はその底部より30[cm]以下の深さに埋設するか、その金属帯から1[m]以上離して埋設します。
A種接地工事に用いる接地線は、引張強さ1.04[kN]以上の難腐食性の金属線か、直径2.6[mm]以上の軟銅線を使います。
B種接地工事
B種接地工事は、低圧の電路と高圧(or特別高圧)の電路が接触する際、低圧側の電圧を異常に上昇させないようにするために行う接地工事です。
接地抵抗値はA種接地工事に比べて複雑なのですが、接地抵抗値の上限値は、以下の表の通りとなります。
接地工事を施す変圧器の種類 |
当該変圧器の高圧側又は特別高圧側の電路と低圧側の電路との混触により、低圧電路の対地電圧が150Vを超えた場合に、自動的に高圧又は特別高圧の電路を遮断する装置を設ける場合の遮断時間 |
接地抵抗値[Ω] |
下記以外の場合 |
150/Ig |
|
高圧又は35,000V以下の特別高圧の電路と低圧電路を結合するもの |
1秒を超え2秒以下 |
300/Ig |
1秒以下 |
600/Ig |
※ Igは、当該変圧器の高圧側又は特別高圧側の電路の1線地絡電流[A]
B種接地工事に用いる接地線は、主に以下の2パターンに分けられます。
- 接地工事を施す変圧器が高圧電路または第108条に規定する特別高圧架空電線路の電路と低圧電路とを結合するものである場合
→ 引張強さ1.04[kN]以上の難腐食性の金属線または直径2.6[mm]以上の軟銅線 - 上記以外の場合
→ 引張強さ2.46[kN]以上の難腐食性の金属線または直径4[mm]以上の軟銅線
C種接地工事
C種接地工事は、300[V]を超える低圧の電路に接続される電気機器に対して行う接地工事です。
接地抵抗値は、A種接地工事と同じく10[Ω]以下であることが定められています。ただし、低圧電路において、地絡を生じた場合に0.5秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときは、500[Ω]以下であればよいです。
C種接地工事に用いる接地線は、引張強さ0.39[kN]以上の難腐食性の金属線か、直径1.6[mm]以上の軟銅線を使います。
D種接地工事
D種接地工事は、300[V]以下の低圧の電路に接続される電気機器に対して行う接地工事です。
接地抵抗値は、100[Ω]以下であることが定められています。ただし、C種接地工事と同様、低圧電路において、地絡を生じた場合に0.5秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときは、500[Ω]以下であればよいことになっています。
接地線はC種と全く同じで、引張強さ0.39[kN]以上の難腐食性の金属線か、直径1.6[mm]以上の軟銅線を使います。
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