問 題
図のように、R1=20[Ω]とR2=30[Ω]の抵抗、静電容量
のコンデンサ、インダクタンス
のコイルからなる回路に周波数f[Hz]で実効値V[V]が一定の交流電圧を加えた。f=10[Hz]のときにR1を流れる電流の大きさをI10Hz[A]、f=10[MHz]のときにR1を流れる電流の大きさをI10MHz[A]とする。
このとき、電流比
の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

- 0.4
- 0.6
- 1.0
- 1.7
- 2.5
解 説
本問の回路は、交流電源に抵抗 R1 が直列に接続され、その後に「コンデンサ C とコイル L と抵抗 R2」が並列に接続された構成となっています。抵抗 R1 に流れる電流は、電源から流れ出る「回路全体の電流」と等しくなります。
まず、周波数 f = 10 [Hz] のときのコンデンサ C の容量性リアクタンス XC [Ω] と、コイル L の誘導性リアクタンス XL [Ω] をそれぞれ計算します。
\( \begin{aligned} X_{C} &\,= \frac{1}{2 \pi f C} \\[12pt] &\,= \frac{1}{2 \pi \times 10 \times \frac{1}{100 \pi}} \\[12pt] &\,= \frac{1}{0.2} \\[12pt] &\,= 5 \text{ [}\Omega\text{]} \quad \cdots(1) \end{aligned} \)
\( \begin{aligned} X_{L} &\,= 2 \pi f L \\[12pt] &\,= 2 \pi \times 10 \times \frac{1}{4 \pi} \\[12pt] &\,= 5 \text{ [}\Omega\text{]} \quad \cdots(2) \end{aligned} \)
(1)式と(2)式より、XC = XL = 5 [Ω] となるため、LC並列回路の部分で「並列共振」が起こります。並列共振の状態では、コイルとコンデンサのリアクタンスが互いに打ち消し合い、このLC並列部分の合成インピーダンスは無限大(開放状態)になります。
インピーダンスが無限大となるため、LCのルートには電流が流れません。結果として、電流は並列に接続されている抵抗 R2 のルートのみを流れることになり、回路は抵抗 R1 と R2 が直列に並んだだけの状態とみなせます。
このときの電流 I10Hz [A] は以下のようになります。
\( \begin{aligned} I_{\text{10Hz}} &\,= \frac{V}{R_{1} + R_{2}} \\[12pt] &\,= \frac{V}{20 + 30} \\[12pt] &\,= \frac{V}{50} \text{ [A]} \quad \cdots(3) \end{aligned} \)
次に、周波数 f = 10 [MHz](= 10 × 106 [Hz])という非常に高い周波数が加わったときのリアクタンスを考えると、次のように整理できます。
- コンデンサのリアクタンス XC は周波数に反比例するため、極端に小さくなりほぼ 0 [Ω](短絡状態)になります。
- コイルのリアクタンス XL は周波数に比例するため、極端に大きくなりほぼ無限大(開放状態)になります。
よって、コンデンサのリアクタンス XC が R2 や XC と比べて極めて小さくなるため、電流は抵抗 R2 やコイルのルートを通らず、ほぼすべての電流がコンデンサのルート(短絡ルート)を流れます。
つまり、この場合の回路は次のように描くことができます。

ここで、XC は R1 と比べてもはるかに小さいため、I10MHz を計算する際は R1 のみを使った近似式で問題ありません(もちろん、XC を含めて計算しても構いませんが、計算が煩雑になります)。
\( \displaystyle I_{\text{10MHz}} = \frac{V}{R_{1}} = \frac{V}{20} \text{ [A]} \quad \cdots(4) \)
最後に、(3)式と(4)式から、求める電流比 I10Hz / I10MHz を計算します。
\( \begin{aligned} \frac{I_{\text{10Hz}}}{I_{\text{10MHz}}} &\,= \frac{\frac{V}{50}}{\frac{V}{20}} \\[12pt] &\,= \frac{V}{50} \times \frac{20}{V} \\[12pt] &\,= \frac{20}{50} \\[12pt] &\,= 0.4 \end{aligned} \)
以上から、正解は(1)となります。

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