変圧器の定格負荷運転時と無負荷運転時では、当然、二次電圧の大きさが変わってきます。このとき、定格運転時の二次電圧に対する、無負荷時と定格運転時での二次電圧の差を百分率で表したものを、電圧変動率といいます。
文字にするとわかりにくいですが、要するに電圧変動率の定義は以下の式となります。
- ε:電圧変動率[%]
- V20:無負荷運転時の二次電圧[V]
- V2n:定格運転時の二次電圧[V]
…ですが、この式を覚えていたところでV2nやV20が簡単に求められるわけではないので、これでは電圧変動率εが求められません。そこで、電験三種では、上式ではなく以下の電圧変動率の近似式を用いることによって、電圧変動率εの計算を行うことが多いです。
- ε:電圧変動率[%]
- p:百分率抵抗降下(パーセント抵抗)[%]
- q:百分率リアクタンス降下(パーセントリアクタンス)[%]
- cosθ:力率
- I2n:定格運転時の二次電流[A]
- R2:二次側に換算した等価回路の抵抗[Ω] (R2=r1/α2+r2)
- X2:二次側に換算した等価回路のリアクタンス[Ω] (X2=x1/α2+x2)
- V2n:定格運転時の二次電圧[V]
冒頭の式からこの近似式を導くことも可能ですが、その導出を電験三種の試験中に行うのはかなりの時間のロスになりますし、電圧変動率が計算問題として出題される際には「近似式を用いること」のような指定がなされるため、冒頭の式はあくまでも定義として受け取るだけでよく、実際に頭に入れておいて欲しいのは上式(近似式)のほうです。
コメント