直流電動機の項目でぜひ覚えてもらいたい公式は全部で3つあります。
1つ目は逆起電力の式で、これは直流発電機の誘導起電力のページで紹介した直流発電機の電機子の誘導起電力の式と一緒です。
直流発電機のときは誘導起電力と呼んでいましたが、直流電動機では直流発電機のときとは反対の動作となり、誘導起電力に相当するものも端子電圧とは逆向きとなるため、特にこれを逆起電力と呼んでいます。
- E:逆起電力 [V]
- p:磁極数
- Z:電機子総導体数
- a:巻線の並列回路数
- Φ:1極あたりの磁束 [Wb]
- n:電機子の回転速度 [min-1]
また、回転速度nを求める計算問題が出題されることも多いですが、上式を使えばnを求めることができます。
2つ目はトルクの式です。
トルクとは、ひとことで言えば回転させる力、もう少し正確に言えば、回転軸のまわりの力のモーメントのことです。トルクの計算式は以下の通りで、特に磁束Φと電機子電流Iaに比例するということをぜひ押さえておいてください。
- T:トルク [N・m]
- Ia:電機子電流 [A]
3つ目の式は直流電動機の出力の公式です。
とはいえ、これは上記の逆起電力の式とトルクの式から簡単に導出することもできるため、無理に暗記する必要はありません。直流電動機の出力Pは以下の式で表されます。
- P:直流電動機の出力 [W]
参考までにこの式の導出を以下に示しますが、その前にまずトルクの式を次のように電機子電流が左辺にくるように変換します。
そうすると、以下の計算によって上に示した公式を導くことができます。
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