電験三種 R5年度下期 電力 問2 問題と解説

 問 題     

定格出力1000MW、速度調定率5%のタービン発電機と、定格出力300MW、速度調定率3%の水車発電機が電力系統に接続され、前者は80%出力、後者は60%出力にて定格周波数(50Hz)でガバナフリー運転を行っている。

負荷が急変して、系統周波数が0.2Hz低下したとき、タービン発電機と水車発電機の出力[MW]の組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

ただし、このガバナフリー運転におけるガバナ特性は直線とし、次式で表される速度調定率に従うものとする。また、この系統内で周波数調整を行っている発電機はこの2台のみとする。

  • P1:初期出力 [MW]
  • P2:変化後の出力 [MW]
  • Pn:定格出力 [MW]
  • n1:出力P1における回転速度 [min-1]
  • n2:変化後の出力P2における回転速度 [min-1]
  • nn:定格回転速度 [min-1]
  • タービン発電機  水車発電機
  1.  720MW     140MW
  2.  733MW     147MW
  3.  867MW     213MW
  4.  880MW     220MW
  5.  933MW     204MW

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

問題文で速度調定率の式が与えられているので、これに既知の数値を代入していって計算を進めれば、求めたい周波数fが算出できます。

ちなみに、この式の分子は回転速度の比を表していますが、周波数と回転速度は比例関係にあるので、(回転速度の比)=(周波数の比)と考えることができます。

まずはタービン発電機のほうの条件をこの式に当てはめると、次のようになります。

この時点で選択肢は(4)に限定されますが、念のため水車発電機のほうの条件も同じ式に当てはめ、同様に計算します。

以上から、正解は(4)となります。

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