電験三種 R5年度下期 理論 問8 問題と解説

 問 題     

図のような交流回路において、電源の周波数を変化させたところ、共振時のインダクタンスLの端子電圧VLは314Vであった。共振周波数の値[kHz]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 2.0
  2. 2.5
  3. 3.0
  4. 3.5
  5. 4.0

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

RLC直列回路の共振状態では、誘導性リアクタンスXL[Ω]の大きさと容量性リアクタンスXC[Ω]の大きさが等しくなります。これら2つのリアクタンスは位相が真逆(XLはπ/2の遅れで、XCはπ/2の進み)なので、その作用は互いに打ち消し合います。

よって、RLCのうちLとCが完全に打ち消されるので、結果としてRのみの回路と見なせます。

上図より、この回路を流れる電流I[A]は次のようになります。

ここで元の図に戻って考えると、問題文よりVL=314[V]なので、問題の図は以下のように表すことができます。なお、コイルのリアクタンスXLを表す式(XL=2πfL)は最重要公式として押さえておいてください。

よって、上図緑色で示したXL=2πfLのうち、左辺のXLはオームの法則を使って具体的に計算できるため、求めたいf[kHz]は次のように算出することができます。

以上から、正解は(2)となります。

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