電験三種 R5年度上期 法規 問10 問題と解説

 問 題     

ある工場のある日の9時00分からの電力推移がグラフのとおりであった。

この工場では日頃から最大需要電力(正時からの30分間ごとの平均使用電力のことをいう。以下同じ。)を300kW未満に抑えるように負荷を管理しているが、その負荷の中で、換気用のファン(全て5.5kW)は最大8台まで停止する運用を行っている。

この日9時00分からファンは10台運転しているが、このままだと9時00分からの最大需要電力が300kW以上になりそうなので、9時20分から9時30分の間、ファンを何台かと、その他の負荷を10kW分だけ停止することにした。

ファンは最低何台停止させる必要があるか、次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

なお、この工場の負荷は全て管理されており、負荷の増減は無いものとする。

  1. 0
  2. 2
  3. 4
  4. 6
  5. 8

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

問題の図を10分ごとの3エリアに分けて考えると、最初の10分と次の10分の電力が310[kW]で、最後の10分は未知なのでP[kW]とします。

問題文によると、最大需要電力は正時からの30分間ごとの平均使用電力のことをいうので、この上記の3つの平均値を300[kW]未満に抑えたい…というのが本問の設定です。

そこで、3つの平均値がちょうど300[kW]になるときのP[kW]の値は、次のように計算することができます。

(1)式より、もともとは310[kW]だった電力を280[kW]未満まで下げたいので、節約するべき電力は30[kW]以上となります。これを、1台5.5[kW]のファン数台と、10[kW]分のその他の負荷を停止することで実現します。

よって、停止するファンの台数nは次のように算出できます。

(2)式において、実際にはファンの台数は整数なので、4台以上を止める必要があることがわかります。

以上から、正解は選択肢(3)となります。

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