電験三種 R5年度上期 機械 問15 問題と解説

 問 題     

定格一次電圧3000V、定格二次電圧が3300Vの単相単巻変圧器について、次の(a)及び(b)の問に答えよ。なお、巻線のインピーダンス、鉄損は無視できるものとする。

(a) この単相単巻変圧器の二次側に負荷を接続したところ、一次電圧は3000V、一次電流は100Aであった。この変圧器の直列巻線に流れる電流値[A]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 9.09
  2. 10.0
  3. 30.9
  4. 90.9
  5. 110

(b) この変圧器の自己容量[kV・A]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 15.8
  2. 27.3
  3. 30.0
  4. 47.3
  5. 81.9

 

 

 

 

 

正解 (a)-(4), (b)-(2)

 解 説    

(a)

単相単巻変圧器の回路図は以下のように表され、巻線の共通部分を分路巻線、共通でない部分を直列巻線といいます。

ここで、単相単巻変圧器も変圧器の一種なので、一次側と二次側で容量(電力)は変わりません。すでに一次電圧と一次電流、二次電圧がわかっているので、二次電流I2は次のように算出することができます。

問われているのは「直列巻線に流れる電流値」ですが、上図の通り、これは負荷を流れる二次電流I2と同じなので、正解は(4)となります。

(b)

問われているのは自己容量Pの値です。これは、直列巻線のところ(下図点線)の容量となります。

設問(a)ですでに直列巻線を流れる電流I2はわかっています。また、直列巻線の部分の電圧Vは、二次電圧V2と一次電圧V1の差であるので、次の(2)式のようになります。

よって、自己容量Pは次のように計算することができます。

以上から、正解は(2)となります。

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