問 題
次の文章は、変電所の計器用変成器に関する記述である。
計器用変成器は、( ア )と変流器とに分けられ、高電圧あるいは大電流の回路から計器や( イ )に必要な適切な電圧や電流を取り出すために設置される。
変流器の二次端子には、常に( ウ )インピーダンスの負荷を接続しておく必要がある。また、一次端子のある変流器は、その端子を被測定線路に( エ )に接続する。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- (ア) (イ) (ウ) (エ)
- 主変圧器 避雷器 高 縦続
- CT 保護継電器 低 直列
- 計器用変圧器 遮断器 中 並列
- CT 遮断器 高 縦続
- 計器用変圧器 保護継電器 低 直列
解 説
( ア )で、計器用変成器には、計器用変圧器(VT:Voltage Transformer)と変流器(CT:Current Transformer)があります。
高電圧または大電流をそのまま測定するのは難しいので、計器用変成器を使うことで小さな値に変換することで、普通の電圧計または電流計で測定できるようにします。
よって、( ア )には「計器用変圧器」が入ります。
( イ )で、計器用変成器(VTやCT)で異常を感知した際には、遮断器で周囲との電気的なつながりを断ち、事故の影響を最小限に抑える必要があります。このようにVTやCTの異常を認識し、遮断器を作動させるための装置を保護継電器といいます。
よって、( イ )には「保護継電器」が入ります。
( ウ )に関して、変流器(CT)は、通電中に二次側が開放されると変流器に異常電圧が発生し、絶縁が破壊される危険性があります。そこで、開放防止のために、変流器の二次端子には常に低インピーダンスの負荷を接続しておきます。
あくまで開放防止が目的であり、高電圧を掛けたいわけではない(むしろ掛けたくない)ので、インピーダンスは低いものを選びます。
また、少し脱線しますが、計器用変圧器(VT)の場合でも似たような措置が必要です。CT・VTの違いを以下にまとめますので、確認しておいてください。
- 変流器(CT):二次側を開放すると計器に高電圧が掛かるため、開放防止を目的として二次端子に低インピーダンスの負荷を接続します。
- 計器用変圧器(VT):二次側を短絡すると計器に大電流が流れるため、短絡防止を目的として二次端子に高インピーダンスの負荷を接続します。
よって、( ウ )には「低」が入ります。
( エ )で、変流器は電流を測定するためのものなので、被測定線路に対して直列接続とします。分岐するようなつなぎ方では、電流が分散されて正しい測定が行なえません。
よって、( エ )には「直列」が入ります。
以上から、
- 計器用変圧器
- 保護継電器
- 低
- 直列
となるので、正解は(5)です。
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