電験三種 R5年度上期 理論 問12 問題と解説

 問 題     

図のように、異なる2種類の金属A、Bで一つの閉回路を作り、その二つの接合点を異なる温度に保てば、( ア )。この現象を( イ )効果という。

上記の記述中の空白箇所(ア)及び(イ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  •    (ア)        (イ)
  1. 電流が流れる      ホール
  2. 抵抗が変化する     ホール
  3. 金属の長さが変化する  ゼーベック
  4. 電位差が生じる     ペルチエ
  5. 起電力が生じる     ゼーベック

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

( イ )の選択肢にある「ホール」、「ゼーベック」、「ペルチエ」の3つの用語について確認しておきます。それぞれの効果は以下の通りです。特にゼーベック効果とペルチエ効果は対照的な関係があるので、関連付けて覚えておきたい知識です。

  • ホール効果:電流に対して垂直方向に磁場が掛かったとき、電流とも磁場とも直角の向きに起電力が生じるという現象。
  • ゼーベック効果:熱電対の二つの接合点に温度差を与えると、起電力が発生するという現象。熱を電気に変換します。
  • ペルチェ効果:異なる二つ金属の接合点に電圧を掛けて電流を流すと、熱を放出または吸収するという現象。電気を熱に変換します。

本問の場合は金属A、Bの接合点に温度差を与えているので、以上のことから本問はゼーベック効果の話であると判断できます。

よって、ゼーベック効果で生じるのは起電力であるため、( ア )には「起電力が生じる」が、( イ )には「ゼーベック」が入ることがわかります。

そのため、正解は(5)となります。

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