問 題
高圧架空電線において、電線に硬銅線を使用して架設する場合、電線の設計に伴う許容引張荷重と弛度について、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし、径間S[m]、電線の引張強さT[kN]、電線の重量による垂直荷重と風圧による水平荷重の合成荷重がW[kN/m]とする。
(a) 「電気設備技術基準の解釈」によれば、規定する荷重が加わる場合における電線の引張強さに対する安全率が、R以上となるような弛度に施設しなければならない。この場合Rの値として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 1.5
- 1.8
- 2.0
- 2.2
- 2.5
(b) 弛度の計算において、最小の弛度を求める場合の許容引張荷重[kN]として、正しい式を次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
解 説
(a)
高圧架空電線では、引張強さに対する安全率は、硬銅線か耐熱銅合金線の場合は安全率2.2、その他の電線なら2.5が必要です。なお、余談ですが、低圧架空電線においても、使用電圧が300Vを超える場合か多心型電線である場合には同様の安全率が必要となります。
よって、本問では高圧架空電線の電線として硬銅線を使用するため、引張強さに対する安全率Rは「2.2」となります。
そのため、正解は(4)です。
(b)
電線の引張強さT[kN]というのは、電線に引張荷重を加えたときに、ちょうど破断するときの応力のことです。実際に電線として用いるときには、このぎりぎりの応力を加えるのは危なすぎるので、安全率Rを考慮した許容引張荷重P[kN]を運用上の限界値とします。
これを言い換えると、許容引張荷重P[kN]に安全率Rを掛けたものが引張強さT[kN]となります。
よって、問われている許容引張荷重P[kN]は次のように表すことができます。
以上から、正解は(1)となります。
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