問 題
次の文章は、電気事業法に基づく保安規程に関する記述である。
保安規程は、電気設備規模等によって記載内容が異なり、特定発電用電気工作物の小売電気事業等用接続最大電力の合計が( ア )万kW(沖縄電力株式会社の供給域内にあっては10万kW)を超える大規模な事業者の場合には保安規程に記載すべき事項が多くなっている。
空欄(ア)と上記の大規模な事業者のみが保安規程に記載すべき事項の組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- (ア):大規模な事業者のみが保安規程に記載すべき事項
- 100:発電所の運転を相当期間停止する場合における保全の方法に関すること。
- 200:保安規程の定期的な点検及びその必要な改善に関すること。
- 100:事業用電気工作物の工事、維持又は運用に関する業務を管理する者の職務及び組織に関すること。
- 60:発電所の運転を相当期間停止する場合における保全の方法に関すること。
- 200:事業用電気工作物の工事、維持又は運用に関する業務を管理する者の職務及び組織に関すること。
解 説
( ア )に入る数値を先に示すと、「200」となります。しかし、これはかなりマイナーな知識であるため、知らなくても仕方ないと思います。ただし、本問は捨て問題とするべきではなく、保安規程の重要事項を押さえておけば正解することのできる設問です。
電気事業法に基づく保安規程は、事業用電気工作物を設置する場合に、事業用電気工作物の工事、維持、運用に関する保安を確保するため、事業用電気工作物の使用開始前に定めるものです。
保安規程に盛り込むべき内容は、以下の9点です。
- 事業用電気工作物の工事、維持又は運用に関する業務を管理する者の職務及び組織に関すること。
- 事業用電気工作物の工事、維持又は運用に従事する者に対する保安教育に関すること。
- 事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安のための巡視、点検及び検査に関すること。
- 事業用電気工作物の運転又は操作に関すること。
- 発電所の運転を相当期間停止する場合における保全の方法に関すること。
- 災害その他非常の場合に採るべき措置に関すること。
- 事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安についての記録に関すること。
- 事業用電気工作物の法定事業者検査に係る実施体制及び記録の保存に関すること。
- その他事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安に関し必要な事項。
また、上記の9点はいわゆる共通事項と呼ばれるものですが、大規模な事業者については、これらに加えていくつかの個別事項と呼ばれる事項(例:保安規程の定期的な点検及びその必要な改善に関すること)についても保安規程に記載しなければなりません。
ここで、選択肢と上記9点を見比べると、選択肢(1)と(4)は上記の5.に、選択肢(3)と(5)は上記の1.に対応していることがわかります。つまり、これらは「大規模な事業者のみ」ではなく「普通の事業者」であっても保安規程に記載しなければならない事項であることがわかります。
このことから、本問は「大規模な事業者のみが保安規程に記載すべき事項」を選ぶ問題であるので、選択肢(1)、(3)、(4)、(5)は不適切であると判断することができます。
よって、大規模な事業者のみが記載する個別事項の内容を覚えていなくても、消去法で正解は(2)であると判断することができます。
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