電験三種 R4年度下期 電力 問6 問題と解説

 問 題     

定格値が一次電圧66kV、二次電圧6.6kV、容量30MV・Aの三相変圧器がある。一次側に換算した漏れリアクタンスの値が14.5Ωのとき、百分率リアクタンスの値[%]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1. 3.3
  2. 5.8
  3. 10.0
  4. 17.2
  5. 30.0

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

本問では百分率リアクタンス[%]が問われていますが、これは百分率インピーダンス(%Z)[%]と同じようなものです。正確には、抵抗R[Ω]とリアクタンスX[Ω]の合力をインピーダンスZ[Ω]といいますが、今回はリアクタンスしか登場しないので、リアクタンスX=インピーダンスZと考えて大丈夫です。

ここで、百分率インピーダンス(%Z)は下式で表されます。この式は重要公式として押さえておくべき式です。

問題文で与えられた各数値を(1)式に代入すれば%Zを計算することができそうですが、現状では定格電流Inが未知数です。一方で容量Pnはわかっているので、まずは次のようにInとPnの関係式を立てます。

そして、(2)式を(1)式に代入しつつ、問題文で与えられた容量Pn=30[MV・A]や、定格一次電圧Vn=66[kV]、Z=14.5[Ω]を使えば、%Z[%]の値を計算することができます。

なお、なぜ二次電圧ではなく一次電圧の数値を使うかというと、問題文に「一次側に換算した漏れリアクタンスの値が14.5Ω」という記述があるためです。与えられたこの数値を使うために、電圧についても一次側の数値にそろえる必要があります。

以上を踏まえると、%Z[%]は次のように計算することができます。

よって、正解は(3)となります。

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