電験三種 R4年度下期 理論 問7 問題と解説

 問 題     

20℃における抵抗値がR1[Ω]、抵抗温度係数がα1[℃-1]の抵抗器Aと20℃における抵抗値がR2[Ω]、抵抗温度係数がα2=0℃-1の抵抗器Bが並列に接続されている。その20℃と21℃における並列抵抗値をそれぞれr20[Ω]、r21[Ω]とし、を変化率とする。

この変化率として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

まず、基準温度t0[℃]における抵抗値がR[Ω]で、抵抗温度係数がα[℃-1]の抵抗器があったとき、ある温度t[℃]における抵抗値Rt[Ω]は次のように表されます。

   

(1)式の意味合いとして、( )内は基準温度から変化した分の温度差を表しています。それに抵抗温度係数を掛けることで増加率(または減少率)を示します。そして基準となる1を足したのちにRを掛けることで、任意の温度における抵抗値を求めることができます。

以上から、抵抗器A,Bの20℃と21℃における抵抗値をそれぞれR1(20)、R2(20)、R1(21)、R2(21)とすると、これらは以下のように表すことができます。

ここで、r20はR1(20)とR2(20)が並列接続したときの合成抵抗であり、r21はR1(21)とR2(21)が並列接続したときの合成抵抗なので、(2)式~(5)式を使うと、r20とr21はそれぞれ次のようになります。

よって、(6)式と(7)式を問題文で与えられた変化率の式に代入して計算を進めると、以下のようになります。

以上から、正解は(2)となります。

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